< 2014年4月30日 >
< 2013年12月31日 >
この4カ月の間の冬場の時期には、成長が止まっていた【ノキシノブ(軒忍)】です。
上部写真の下側二つの矢印の枯れた「葉」は撤去、先端が変色していた上部黄印の「葉」も枯れてしまいました。
4月に入り、下部写真の赤印の「葉」がこの一ヶ月で急に伸び出し、7センチばかりに成長、現在<4枚>の状態です。
観察を初めて1年3ヶ月の期間で <胞子嚢群(ソーラス)> もでき、ようやくここまで成長してきていますが、目に見えての繁殖もなく、ここは我慢して気長に見守るしかないようです。
野草として、道端や空き地などで見かけることが多い【ヤエムグラ(八重葎)】です。
アカネ科ヤエムグラ属の越年草で、史前帰化植物として、日本に広く分布しています。
茎には節があり、不仕事に狭い倒卵状の性質を持つ葉を6~8枚ほど輪生させますので「八重」と付けられ、「葎」は雑草を意味しています。
茎には下向きの棘があり、多の植物に棘をひっかけながら茎を立ち上げていきます。
花は4~6月頃に開花、花径1~2ミリと小さい4弁花で、4個の雄しべがありますが目立ちません。
果実は直径2ミリほど、2分果からなり、分果に1個の種子が入り、表面には鉤状の毛が生え、「ひっつき虫」の性質で衣服などに付いて繁殖を計ります。
以前、 「ジンジャー」 の花でお世話になったおばあちゃのお家に、【ノダフジ】が咲き出していました。
4月下旬から5月上旬に、長い房状のような花序を垂れ下げて青紫色や白いろの花を多数咲かせます。
花の房が2メートルにもなる<九尺フジ>や木立性の <一才藤> などの品種があり、日本固有種ですが世界各地に植えられています。
一般的に「フジ」といいますが、広義にはマメ科マメ属を指し、狭義にはマメ属の【ノダフジ(野田藤)】を指します。
同属には「ヤマフジ(野藤)」がありよく混同されますが、こちらは房の長さが20センチ迄と短く、蔓の巻き方が上から見て反時計回りで、【ノダフジ】は時計回りの右巻きです。
花を観賞するにはきれいな姿ですが、林業的にみれば、「スギ」や「ヒノキ」に絡みつくように立ち上がり、引き倒してしまう厄介な植物です。
花弁状に見える緑色の<小総苞>の中心部に、黄緑色の小さな花を散形花序に咲かせます【ツキヌキサイコ(突抜柴胡)】です。
セリ科ブプレリューム(ミシマサイコ)属の1年草、または寿命の短い多年草扱いになり、アジア・ヨーロッパに分布しています。
草丈60~150センチぐらいになり、 「ツキヌキニンドウ(突抜忍冬)」 もそうですが、葉は茎を抱くようにつき、上部の分岐部分に付く葉は完全に茎を取り巻くために、茎が葉を突き抜けているように見えます。
花は地味で目立ちませんが、それが返って他の花を引き立てますので、花束などのフラワーアレンジメントには、「カスミソウ」と同様に最近では重宝な脇役として、園芸業界では「ブプレリューム」との名称でよく出回っているようです。
【ニゲラ】として一般的に流通しているのは「ニゲラ・ダマスケナ」ですが、これはその園芸品種として、イギリスの<T&M(Thompson & Morgan)>社で作出されている「アフリカンブライト」です。
【ニゲラ】は、キンポウゲ科クロタネソウ属の1年草で、日本には江戸時代に渡来しています。
和名の「クロタネソウ(黒種草)」は、花後に大きく膨らんだ裂開果を実らせ、熟すと黒いタネを散布させることに由来しています。
葉は細かく裂けて細い糸状をしており、茎は枝分かれしてその先に一輪の花を咲かせます。
花径は3~5センチ、色は白色・青色・桃色等があり、花弁に見えているのは<蕚片>で、本来の花は退化して目立ちません。
「ブラッククミン」と呼ばれ、カレーのスパイスとして用いられるタネは<ニゲル・サティバ>という品種から採取されたモノです。
樹高1メートル程の鉢植えでしたが、大輪の春咲きの<ボタン(牡丹)>を見つけました。
ボタン科ボタン属の落葉小低木で、原産地は中国、野生種としては5種ほどが自生しています。
日本には奈良時代に渡来、<弘法大師>が持ち帰ったとの説もあります。
同じ属には「シャクヤク(芍薬)」があり、良く似た花姿です。英語ではどちらも「Peony」と呼ばれ、学名の「Paeonia」はギリシア神話の「医の神=Paeon」に由来しています。
<ボタン>は木本植物、「シャクヤク」は冬期に地上部が枯れる多年生の草本植物です。また<ボタン>は枝分かれして横に広がりますが、「シャクヤク」は枝分かれせずに茎が真っ直ぐに伸びています。
早春から春先にかけて咲きだす【オオアラセイトウ(大紫羅欄花)】ですが、はや<種子(長角果)>ができていました。
アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草で、原産地は中国、日本には江戸時代に渡来しています。
草丈は50センチほどになり、花径3センチばかりの花を総状花序に付け、アブラナ科特有の十字形の4弁花で、雄しべが6本、雌しべが1本の 花姿 をしています。
熟すと黒くなる種子ができ、「アブラナ」と同様に油を採取することができます。
開花する時期が4月~5月であり、味の良い旬の<蜆>と関係するのでしょうか、<蜆>の内臓に似ているということで【シジミバナ(蜆花)】と和名が付けられています。
バラ科シモツケ属の落葉低木で、同じ属には 「ユキヤナギ」 や「コデマリ」が含まれています。
花径は1センチほどで、雄しべ・雌しべがありませんので、結実してタネはできません。
葉は7ミリ程度と小さめの楕円形、株は株立ちになりこんもりと茂り、高さ1~1.5メートルぐらいに達します。
原産地の中国では「笑靨(しょうよう)」と呼ばれ、「えくぼ」を意味し、花の中央の窪みを「えくぼ」に見立ています。
花の形は、同じオオバコ科クワガタソウ属の 「オオイヌノフグリ」 に似ている【フラサバソウ】です。
ヨーロッパ原産の野草ですが、日本では明治時代初期に長崎県で初めて確認され、ヨーロッパのモノと同じだと報告したフランスの植物学者が<フランシェ>と<サバティエ>であり、その二人の名前から和名の【フラサバソウ】が命名されています。
「オオイヌノフグリ」と見比べますと発芽時期が遅く、4弁花としての花径も4~5ミリと半分ほどの大きさで、花色も淡青紫色と薄い感じです。
茎は根元でよく分かれ、地面を這うように四方に広がり、先端は少し直立して花を咲かせ、葉と特に<蕚>には長い毛が目立ちます。
袋状になった<唇弁(リップ)>の形が特徴的な、不思議な花姿をしたランで、ラン科パフィオペディルム属に分類されている多年草、東南アジアを原産地としています。
多くのランは着生植物ですが、地上に根を下ろす地生蘭、もしくは半着生であり、少数派に属しています。
花は長い花茎の先に単独かもしくは少数の穂状になり、外側にある上向きの<背がく片(ドーサルセバル)>は幅広く、左右側面の<花弁(ペダル)>は細長く横に伸び、<唇弁(リップ)>の後側には<下がく片(ベントラルセバル)>を持ちます。
名称はギリシア語の「パフィオ(ヴィーナス)」と「ペディロニ(サンダル、スリッパ)」の合成語で、「女神のスリッパ」を意味し、英名でも「Ladyslipper」です。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ