近年、外来種【オオキンケイギク】が強い繁殖力で空き地や路傍を占領しています。 よく似た花姿で肩身の狭い思いをしているのではと思われる【キバナコスモス】が咲き出していました。
【オオキンケイギク】は、花期が6~7月の黄色い頭状花で、たくさんついた舌状花の先端は4~5裂しています。平成18年に「特定外来生物」に指定され、栽培、販売、移動などが禁じられています。北アメリカ原産で台湾、オーストラリア、サウジアラビアなど世界各国に移入して分布し、日本各地でも見られるキク科オオキンケイギク属の宿根草です。
【キバナコスモス】は、メキシコ原産のキク科コスモス属の一年草で、花期は6~11月ですが、特定外来生物の指定はなく、栽培しても問題にはなりません。
花色は黄色か橙色などで、花は直径3~5センチ、舌状花は幅広で、数は8枚ほどで、先端に2か所の切れ込みが入っています。この花は、細い茎の先に一つの花が咲いています。
生い茂る葉の間から花茎をのばして下向きに咲いていますミズキ目アジサイ科キレンゲショウマ属の【キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)】です。
草本であり高さは120センチから150センチほどに育ち、光沢のある掌状の葉は対生です。葉の腋から円錐花序を出し、そこに黄色の5枚の花弁の花を咲かせます。おしべは15本、めしべは3本。8月が開花期時期です。
NHKの連続テレビ小説『らんまん』での先週のサブタイトルは『キレンゲショウマ』でした。夏に鮮やかな黄色い花を咲かせ、希少価値があることで注目を集めている山野草です。
ドラマでは主人公の「万太郎」と東大の「田邊教授」が同時期に【キレンゲショウマ】を発見。わずかの差で「田邊教授」が新種発見者として認められました。
【キレンゲショウマ】の学名は「Kirengeshoma palmata Yatabe」。1860年に東京大学の初代植物学教授<矢田部良吉>によって発表されたことから、学名にも<矢田部>の名前が記されています。
昨日のきれいな赤紫色の翅のチョウ目(鱗翅目)ツトガ科ノメイガ亜科の【アメリカピンクノメイガ】の幼虫の食草がシソ科とのことで、再会を期待してプランターに植えられていますサルビア類を眺めておりましたら、今度はチョウ目・シジミチョウ科・ヒメシジミ亜科の【ヤマトシジミ】が吸蜜に訪れ、花の中心部に頭から突っ込んで、横向きに姿勢を保持しています。
シソ科サルビア属【サルビア・ファリナセア】は〈ブルーサルビア〉とも呼ばれる青い花がきれいな植物で、北アメリカおよび中央アメリカが原産の多年草ですが、寒さに弱いので日本の気候では冬越しはできない1年草扱いです。
サルビアだけで見ると世界中に数百種類という数が存在します。よく見かける赤いものは「スプレンデンス」という品種。ブルーセージもサルビアの仲間ですので品種のひとつと数えられます。
花弁には白色のスポットが入り、スポットは花蜜標識として、蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。そのため、開花期間中は蜜を求めて花の周りを花蜂や蝶々がよく飛び回っていますので、昆虫撮影には楽しみがある花たちです。
「ヤマトシジミ」の飛翔を見つけ、見守っていましたら、プランターに咲く白い花(左手前)に留まった瞬間をとらえることができました。黒い斑点模様の翅の側面を移す余裕はなく飛び立ちましたが、白い多弁の花も気になりました。
花姿や葉や蕾の形状から、キク科ロダンテ属の【ハナカンザシ】だと同定しました。花径は20ミリほど。花弁は八重咲きですが、花弁に見えるのは「総苞片」であり、中央に見える黄色い部分が「筒状花」です。
原産地はオーストラリア西南部、乾燥を好むので、砂地ではよく成長します。雨に当たると茎が細く倒れやすいです。本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、気温と湿度の高い環境が苦手なことから、日本では一年草として育てられます。
【ウリハムシ】や【クロウリハムシ】を見つけました【カボチャ】の株に、花が咲いていました。
訪問時は炎天下のお昼過ぎで、花はすでにしぼんでいる状態でした。普段見かけない野菜の『カボチャ』だけに、「朝顔」のように開花時間が早いのかもしれません。
【カボチャ(南瓜)】は、ウリ科カボチャ属に属する果菜の総称です。原産は南北アメリカ大陸ですが、主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカで、皮を含む果実を食用とし若葉や茎、花は「ズッキーニ」と同じ食用花(エディブルフラワー)として可食可能です。
ウリ科植物として「スイカ」や「ヘチマ」などと同じ黄色い花を咲かせます。黄色い5枚の花びらが途中まで筒状にあわさった合弁花で、一株に雄花と雌花が混在して咲く雌雄異花の単性花です。つるや葉ばかり繁るいわゆる「つるボケ」になると雄花が多くなる傾向があります。
雄花と雌花の見分け方は簡単です。雌花には、蕾のうちから花の下にまるい子房がついています。このふくらみが、受粉によってかぼちゃの実になります。雄花の下にはついていません。写真のようにガクの下には花柄(茎)が伸びているだけです。
とある住宅の壁面の「ツタ」の枯れ枝に、蔓性の【ヘクソカズラ(屁糞葛)】が巻き付き、花を咲かしていました。
【ヘクソカズラ】は、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年草で、やぶや道端など至る所に生える野草です。7~9月に中心部が赤紅色の白い小花を咲かせます。葉や茎など全草を傷つけると、悪臭を放つことから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名がつけられています。
原産は日本の在来種で、ほぼ日本の全土、東アジアに分布しています。花は葉腋から短い花序を出し、2出集散花序を形成して、花弁・花冠が白く、内面中心が紅色の花を多数咲かせます。花形は漏斗形で、花冠は浅く5裂しています。花の色や形には微妙に個体差があり、花びらが広がるタイプや後方へ反り返るタイプがあったり、赤い部分の面積にも大小が見られます。
葉や茎を傷をつけなければ悪臭はありませんが、チョウ目(鱗翅目)スズメガ科の「ホシホウジャク」の幼虫が大好きな食草です。
NHK連続テレビ小説『らんまん』の主人公ということで、植物学者<牧野富太郎>の話題が目立ちますが、六甲高山植物園では、鮮やかな六甲ブルーの【ヒメアジサイ】の群落が見頃となっており、7月下旬ごろまで楽しめます。
【ヒメアジサイ】は、「エゾアジサイ」の花序全体が装飾花になったもので、1929年に<牧野富太郎>が長野県戸隠付近で見た「エゾアジサイ」の品種に命名しています。
花が女性的で優美なので「姫アジサイ」と名付けられました。六甲山は花崗岩で土壌が酸性なので、鮮やかな青色に発色し「六甲ブルー」と呼ばれ、「神戸市の市花」として親しまれています。
お茶菓子としていただいたのは、季節の和菓子としての「紫陽花」です。
「紫陽花」は、ミズキ目、アジサイ科アジサイ属の落葉低木の一種ですが、開花時期が6月~7月ということで梅雨の時期とかさなり、雨に紫陽花が風物詩のようによく扱われています。
「紫陽花」の原種は日本に自生する〈ガクアジサイ〉です。花序の頂部がたいらで両性花が多数あり、密集した両性花の周囲だけに萼が大きく発達した装飾花(中性花)がみられます。
この和菓子の真ん中の形は、花序が球形ですべて装飾花となった「アジサイ」で、「手まり咲き」と呼ばれる形を模倣した意匠でした。
初見で「バラ」かと思いました、リンドウ科 トルコギキョウ属(ユーストマ属)の白い八重咲きの【トルコギキョウ】です。
【トルコギキョウ】はその和名から、キキョウ科の植物だと誤解されることがよくありますが、北アメリカ南西部から南部、メキシコ、南アメリカ北部の平原や河口に、2~3種が広く分布しているリンドウ科の植物です。
日本には1935年(昭和10年)代に導入されてから著しく品種改良が進みました。原種は一重咲きの可憐な薄紫から紫の花ですが、1975年(昭和50年)代にピンクの花色が登場したのを皮切りに、八重咲き、大輪、小輪、クリーム色、そして緑や茶色、複色と、非常に多くの品種がつくり出されました。多くは切り花として流通しますが、一部、鉢物として、草丈の低い品種が流通しています。
この白い八重咲の品種は〈リオホワイト〉と呼ばれ、八重咲きの中でも花形が豪華な花径約8センチの花弁にやわらかくフリルの入るフリンジ・セミフリル種です。
品種名の〈リオ〉は、国内外・男女を問わず人の名前で使われており、覚えやすく親しみやすいこと、〈熱い〉「リオのカーニバル」の連想から、〈暑い〉高温期でも品質のよい切り花が栽培できる特徴になぞらえて命名されています。
観葉植物として人気のあるリュウゼツラン(キジカクシ)科の「ドラセナ」ですが、常緑性の樹木で、原産地は熱帯アジア・アフリカなどの熱帯地方です。「ドラセナ」は、とても種類が多く、代表的な「幸福の木(マッサンゲアナ)」以外にもその数は50種を超えています。
運よく、10年に一度の開花といわれる【ドラセナ・カンボジアーナ】の花と遭遇しました。
観葉植物として花を咲かせるのは珍しい現象ですので、そのままで花を楽しみたい気持ちはよく分かりますが、「ドラセナ」に限らず、植物は花や実をつけることで、本来は幹や葉に回るはずの栄養分が不足しがちになってしまいます。とくに「ドラセナ」はその傾向が非常に強く、咲いた花を切らずにそのままにしておくことで、元気がなくなってしおれてしまいやすくなりますもで、花芽を摘み取るのがいいようです。
ちなみに「ドラセナ」という名称は、「メスのドラゴン」という意味です。これは、「ドラセナ」の一種(ドラセナ・ドラコなど)から出る赤い樹液が、「ドラゴンの血」と呼ばれることに由来しています。
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