ブ~ンと大きな翅音がしたかと思うと、【シオヤアブ(塩屋虻)】が、目の前にとまりました。
空中で「ハナバチ」を捕獲したようで、これからゆっくりとお食事です。
ハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科シオヤアブ亜科の昆虫で、写真のように腹部先端に白い毛が生えているのが<オス>で、これを「塩」に見立てた名前がつけられています。
木の枝や葉の裏側等にじっとして獲物を待ち続け、獲物が近付きますと一瞬の動作で脚でわしづかみ、硬い口吻を突き刺して獲物の神経を切断し、体液を吸い上げます。
人間には危害を加えることはありませんが、刺されるとやはり痛いと聞いています。
群生している「イワダレソウ」を写そうとしていましたら、運良く【モンシロチョウ(紋白蝶)】と遭遇いたしました。
地元『神戸新聞』の6月7日(金)に、関西では 「テングチョウ(天狗蝶)」 が大量発生しているとの記事がでていましたが、個人的な感覚では、こちらの【モンシロチョウ】の方が、例年になく見かける機会が多いように感じています。
幼虫は、キャベツ・アブラナ・ブロッコリーなどのアブラナ科を食草としており、気温も高く生育がいいのか、鳥類や 「アシナガバチ」 の天敵が少ないのか、大量発生の原因が分かりません。
写真の【モンシロチョウ】は、前翅の黒い部分も小さく、全体的に黄色っぽいですので<オス>のようです。
一般的に 【ヤブキリ】 は、緑色の体色をしていますが、茶褐色の体色変異の<オス>を見つけました。
長い触角、小さな眼、頭頂から背にかけての1本の筋が入る等の諸条件で、【ヤブキリ】の幼虫と同定しました。
卵は4月頃に孵化、2カ月ほどかけて6回ほどの脱皮を経て成虫になり、寿命は普通2カ月ほどですので、梅雨半ばごろから秋にかけてが活動時期になります。
初期の幼虫時には草食性ですが、脱皮の回数を重ねるごとに肉食性が強くなり、顎が大きく発達、脚の棘が捕食に適するように長くなっていきます。
昨年も 「イタドリ」 の葉の上にいる 【ヤブキリ】 を見つけていますが、今年も同じように長い触角を動かしながらの<メス>と遭遇しました。
「キリギリス」 とよく似ていますが、幼虫のとき頭頂から背にかけての茶褐色の筋が1本が【ヤブキリ】で、2本入れば「キリギリス」です。
「セトウチフキバッタ」 や 「ツチイナゴ」 などに比べて、随分と小さな眼をしていますが、夜の活動が主なため、長い触角が眼の代わりになっているようです。
成長の早い 「イタドリ」 の葉の上に、体長12~3ミリほどの<フキバッタ>の若齢幼虫を見かけました。
バッタ科フキバッタ亜科に分類されている総称として使われていますが、神戸近辺ですので 「セトウチフキバッタ」 の可能性が高いのですが、成虫の形態を見ていませんので、詳細までは判断できません。
一見「イナゴ」に似ていますが、眼の後側に黒い帯がありますので区別ができます。
ほとんどの種は翅が退化しており、飛ぶことはできません。
胸に退化した翅の跡が残りますが、この長さも個体差があり一様ではありません。
名称の<フキバッタ(蕗飛蝗)>は、好んで食べる葉として「フキ(蕗)」が多く、「クズ(葛)」・「フジバカマ」など、柔らかい葉を好んで食べることから名付けられています。
名称に「ヒメ」と付く昆虫はだいたいが小さく、この【ホソヒメヒラタアブ】も体長6ミリほどの大きさしかありません。
ハエ目(双翅目)ハナアブ科ヒラタアブ亜科の昆虫で、写真は胴がほっそりとしていて先に丸みがありますので<オス>です。
<メス>の腹はふくらみがあり、先が尖っていますが、身体的特徴もさることながら、複眼が離れている(=メス)、ひっついている(=オス)の判定が一番わかり易いかも知れませ。
身体的特徴としては、胸部背面が黒く艶があり、体つきが細く、胸部の黄色い模様が鮮やかで、胸部から3番目の黒横帯に必ず切れ目があることが挙げられます。
風に揺れる 「カモガヤ」 の花穂に、 【ナナホシテントウ】の終齢幼虫がいました。
先だっては、不完全変態の 「スカシヒメヘリカメムシ」 の同定で脱皮する幼虫の形がわからず苦労しましたが、今回は完全変態で4回目の脱皮で<蛹化>、1週間程度で成虫として羽化します。
<蛹化>の際には、「アゲハ」類もそうですが、幼虫が生息していた植物から離れる傾向が見られ、まったく「アブラムシ」がいない植物に<蛹>になっているのを良く見かけます。
幼虫は細長く体長10ミリ程度、腹背にやや扁平で幅広く、長い3対の胸脚を持ち、体色は白っぽい紫色で黒い斑点が並んでいます。
「ヒメジョオン」の花にいた 同定できない(28)「昆虫」(3) が判明しました。
「昆虫」の形状を見て、経験則から判断した通りカメムシ目(半翅目)カメムシ亜目に間違いがなく、ヒメヘリカメムシ科に属する【スカシヒメカメムシ(透姫縁亀虫)】でした。
写真を撮影したとき、この【スカシヒメカメムシ】が、<卵 → 幼虫 → 成虫>という不完全変態だということに気が付かず、撮影したモノが成虫の最終形態だと思い込んでいたのが、同定できなかった原因です。
今回は、名称の元となる翅が透明なる成虫が撮影できました。
体長は6~7ミリ、体色は黒褐色から赤褐色まで個体により変化に富んでいます。
昨日6月7日の『神戸新聞』に、西日本、特に広島と関西で【テングチョウ】が大発生しているとの記事が出ていました。
「たまに大発生するが、近年には珍しい、理由はわかっていない」と、<兵庫県立人と自然博物館>の山内主任研究員の言葉です。
【テングチョウ】のアップも6回目ですが、地域性があるのか、身の周りではそんなに大量に見かけることはありません。
日本固有種ですから、自然淘汰されずに繁殖することは、いいのではないかと考えています。
風に揺れる 「ヒメジョオン」 の花に、体長5~6ミリの見慣れない<昆虫>が、仲良く頭状花を食べつくしていました。
大きな左側の<昆虫>をよく観察しますと、一般的に「翅」は体表を覆う感じで付いていますが、短めの「翅」が左右に見受けられ、なんだか退化した感じです。
先が太い長い触角、三角形の突き出た頭部と左右の複眼、涙型の体型等、色々と特徴があるのですが、手持ちの資料では同定できませんでした。
経験則的に「カメムシ目(半翅目)カメムシ亜目」の分類される<昆虫>の一種ではないかと考えているのですが、自信が持てません。
後記 : カメムシ目(半翅目)カメムシ亜目ヒメヘリカメムシ科の 【スカシヒメカメムシ】 の幼虫だと分かりました。
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