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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(105-2)『女王国の城』(下)有栖川有栖(創元推理文庫)

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今年の読書(105-2)『女王...
正直好きな文章ではなく、いつもより読書のペースが落ちましたが、何とか(下)巻を読み終えました。

(上)巻で殺人事件が起こり、(下)巻でも、続けて二人の<人類協会>の会員が殺害される事件が起こります。
推理小説ですので、細かいことは書けませんが、最後は英都大学推理研究会の江神部長の推理で、犯人を追求、11年前に起こった迷宮入りの密室自殺事件とも解決に至ります。

(上)巻を読み終えた <コメント>  でも書きましたが、不必要と感じる(知識の見せびらかし)的な台詞が多く、わたし好みの推理小説の構成ではありませんでした。
奇しくも文庫本のあとがきに、・・・私の書くものにありがちなのだが、前半は物語の展開がゆるやかだ。そのために上巻が<静の巻>、後半が<動の巻>といった趣になっている。上巻を読んで「動きが少ない」と不満を抱かれはしまいかと案じるが、どこで物語が弾けるか、<静の巻>にどれだけ伏線が貼られていたのか、最後までお読みいただいて、「なるほど」と納得していただけることを祈る・・・、と著者自ら書かれていました。

有栖川ファンとしては、この流れがいいのでしょうが、わたし的には「なるほど」という感想もなく、ただ読み疲れが残りました。
よほどのことがない限り、著者の作品からは遠ざかりそうです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(105-1)『女王国の城』(上)有栖川有栖(創元推理文庫)

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今年の読書(105-1)『女王...
初めて手にした有栖川有栖の作品でしたが、有栖川ファンの方には申し訳ありませんが<歯切れのない文章>で、なかなか読書のペースが進みませんでした。
上下2冊本ですが、ようやく435ページの(上)巻を読み終えました。

会員数を伸ばしている新興宗教<人類協会>の本殿がある神倉に、英都大学推理小説研究会の先輩が突然訪問に出向いたことを心配して、後輩メンバー4人が探しに出かけます。
神倉では、11年前に迷宮入りした密室殺人事件があり、いまだ殺害方法も犯人も検挙されていないことを、研究会のメンバーは宿泊先で知ることになります。

紆余曲折がありましたが、何とか本殿にて先輩を見つけることができますが、突然教会内部で殺人事件が発生します。
事件がおこった場所は、開祖が宇宙人と出会った洞窟の前で、宇宙人が再臨するのを24時間体制で見張っている警備員が殺害され、何かの原因で警察との関わりを避けたい教会側に、研究会メンバー達が本殿に監禁されるところで(上)巻は終わります。

この研究会のメンバーが主人公のシリーズのようで、4作目に当たるようですが、初めて読むには登場人物たちの性格設定が甘く感じられ、人物像が浮かび上がりません。
迷宮入りした事件と絡み合うのは予測できますが、ダラダラとした描写ばかりが続き、筋のテンポが面白くありません。本筋と関係ある台詞なのかもしれませんが、知識をひけらかす饒舌な会話の場面が多く、疲れました。

まだ(下)巻があります。結末までどのように展開するのか、なんとか読み終わりたいと思います。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(104)『のぼうの城』和田竜(小学館)

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今年の読書(104)『のぼうの...
本来は、2011年9月に公開予定だった映画の小説ですが、城に対する「水攻め」の場面があり、東日本大震災の被害を考慮し、公開延期になりました『のぼうの城』です。

ようやく今年の11月2日に公開されることに伴い、原作本を読んでみました。
著者の作家デビュー作であり、第139回(2008年上半期ノミネート)、2009年には第6回本屋大賞第2位を受賞した作品でもあります。

天下統一を狙う豊臣秀吉は、関東最大の勢力を持つ北条氏の小田原城をつぶそうと考えます。北条側は、関東各地の支城の城主に対して、秀吉に対抗せよと命を出しますが、「忍城」城主の成田氏長は北条氏に従うように見せかけ、裏側で秀吉側に降伏の密通書を送り届けています。

武功として名を立てるために石田光成は2万の兵力で、すでに氏長が降伏しているとは露知らず「忍城」に向かい、明け渡しを要求しますが、留守を預かる<のぼう=でくのぼう>と呼ばれる成田長親は、裏で降伏していることなど知らせられていないため、兵士500と農民たちを合わせたわずか2千の数で戦に臨みます。

<のぼう>様と呼ばれた長親は、田植えが好きで兵法も知らず、武術も出来ませんが、農民からの「人望」を背に受け「忍城」を守り抜きます。

城の留守を預かる、長親を取り巻く<正木丹波守>・<柴崎和泉守>・<酒巻靭負>たちという脇役の活躍が素晴らしく、小気味の良い流れで、一気に読み切れました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(103)『相棒に手を出すな』逢坂剛(新潮文庫)

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今年の読書(103)『相棒に手...
犯罪と称する分野にも、色々な分野があります。
この本は少しばかり機転の効く主人公<世間師>(偽名ばかりを使い名前はその都度かわる)と、『Xファイル』に出てくる女性調査官<ジリアン・アンダーソン>に似た、少し太めで美人のジリアンこと<四面堂遥>の二人が織りなす、「コンゲーム」の短篇集です。

「コンゲーム」とは、相手の信用を勝ち得て、それを旨い事利用しながら、相手から金品などを奪い取る犯罪で、地道に仕組まれた詐欺とも言えます。
読み手側も、登場人物が詐欺師だと分かっていながら、結末を予測することはできなく、著者の筋書きの巧さに舌を巻きました。

『相棒に気をつけろ』に続く続編ですが、今回は骨董屋の未亡人として<二本柳ツル>が新しく登場、渋い役どころで楽しませてくれます。

機知とウエットに富んだ登場人物の活躍、笑わせてくれる一冊です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(102)『犯罪小説家』雫井脩介(双葉文庫)

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今年の読書(102)『犯罪小説...
新鋭作家として『凍て鶴』が、日本クライム文学賞を受賞した<待居涼司>に、作品の映画化の話が持ち上がります。
監督・脚本・主演に選ばれた奇才<小野川充>は、彼独自の理論を展開し、原作とは違う結末に、かって世間を騒がせた「落下の会」という自殺系サイトを主宰して自殺した<木ノ瀬蓮美>のイメージを持ち込もうとします。

<小野川>にこの「落下の会」の調査を受けたフリーライターの<今泉>は、情報やデーターを駆使して、この「落下の会」の元幹部との接触に成功しますが、思わぬ結末を迎えることになります。

「落下の会」の元幹部として生き残っているのは、読者に作家の<待居>か脚本家の<小野川>かと推測させながらの展開は緻密で、飽きさせません。

作家と脚本家という夢と野望が絡み合い、人間の「業」としての急転直下の結末に唖然とするとともに、納得できる怖さが余韻として残りました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(101)『何があって大丈夫』櫻井よしこ(新潮社)

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今年の読書(101)『何があっ...
保守派の論客としてつとに有名な<櫻井よしこ>さんですが、出生からジャーナリストになるまでを綴った自伝です。
ベトナムハノイの野戦病院で二女として生まれたときから、ジャーナリストの冷静な目線で持って、ご自身の生きざまをルーツを織り込みながら書かれています。

日本テレビの『NNNきょうの出来事』のキャスターを、1980(昭和55)年5月から1996(平成8)年3月まで16年間務められました。

この本を読んで、なぜ彼女が「ハワイ大学」の卒業なのかがよく分かりましたし、この時の留学時代に養われた異国での経験、民族や文化の違いが、ジャーナリストとしての素地として、よく理解できました。

そして何より、タイトルの「何があっても大丈夫」は母親の口癖の言葉ですが、父親が家庭を顧みない中において、気丈な母として子供を育て上げてゆく姿にも、感動を覚えました。

核武装論者、慰安婦問題、薬害エイズ問題をはじめ、教育・政治にと多弁な活動をされていますが、その源が垣間見えた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(100)『リヴァイアサン号殺人事件』ボリス・アクーニン(岩波書店)

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今年の読書(100)『リヴァイ...
「ボリス・アクーニン」はロシアの作家らしいアクセントですがペンネームで、日本語の「悪人」=アクーニンから考え出した名前だそうです。
刑事役の「ファンドーリン」を主人公に、全11冊の<ファンドーリン捜査ファイル>シリーズが刊行されており、これは第3冊目に当たります。
どれも19世紀末から20世紀初頭にかけてを舞台とし、歴史がらみを背景にした推理小説です。

19世紀末、パリでインドの財宝をコレクションしている富豪が、使用人10人ともども殺される事件が起こります。
富豪の手には、イギリスからインドまで処女航海する「リヴァイアサン号」の乗船客に配られたバッジが握られていたことにより、パリ市警の「ゴーシュ警部」が客船に乗りこんで、犯人捜しを進めてゆきます。

海上を航海する船の中という、ある意味密室状態の中で、それぞれに怪しげな乗客と<ゴーシュ警部>の駆け引きが続けられ、乗客として乗り合わせた<ファンドーリン>が見守る中、二転三転と事件が起こり、思わぬ結末を迎えることになります。

乗客の一人として日本人が出てきますが、著者の日本人びいきの洞察力には感心しました。
イギリス、フランス、インド、ロシア、日本とそれぞれの国民性がよく表れた乗客の設定とともに、なるほどなと思わせる結末で、面白く読み切れました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(99)『少女漫画家が猫を飼う理由』天野頌子(祥伝社文庫)

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今年の読書(99)『少女漫画家...
副題に<警視庁幽霊係>シリーズとありますが、このタイトル本で3冊目に当たります。
本シリーズの一作目『警視庁幽霊係』が、作家デビューとしての第一作目でした。

警視庁の片隅に、事件が解決することなく迷宮(おみや)入りするのに語呂を合わせた「お宮の間」という部署があります。
事故や事件で亡くなった人から事情聴取をする幽霊係の<柏木>、犯人の遺留品や盗品などの物体に焼きつけられた記憶を読む<高島>、犬と話しのできる<伊集院>、写真を見て写っている人の生死を透視できる<桜井>等、特殊技能を持つ4人の刑事たちが活躍します。
4人以外の脇役も個性があり、肩を張らずに読み流せました。

奇想天外な特殊能力だけに、事件の設定も奇抜なことが想定できますので、シリーズ化として期待するファンは増えてきそうな気がします。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(98)『ブラック・ローズ』新堂冬樹(幻冬舎文庫)

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今年の読書(98)『ブラック・...
テレビ会社のプロデューサーであった父親を、自殺に追い込んだ同僚の<仁科>に復讐するために、主人公の<唯>はテレビ製作会社のプロデューサーとしてベストセラー小説のドラマ化を企画し、<仁科>を蹴落とすことに執念を燃やします。

小説の原作者を手なずけ、<仁科>のドラマの主演者を横取り、視聴率確保のため偽のスクープを捏造しながら、ひたすら<仁科>に対抗してゆきます。

読み手側として、卑劣な行為の<唯>なのですが、テレビ業界やプロダクションの裏側をあからさまに描いていますので、妙に「頑張れよ」と応援したくなるキャラクターでもあります。

最高視聴率を稼ぎながら、<仁科>が持ち出したスキャンダルな写真で、<唯>の企画したドラマは放映中止になるのですが、復讐という私情の為に諦めた恋人との再起を思わす場面で、小説は終わります。

テレビ番組は、内容自体よりも「視聴率」や「スポンサー」、「タレント」優先主義に対する、ささやかなボディーブローの一冊だとして読み終えました。
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今年の読書(97)『壱里島奇譚』梶尾真治(祥伝社)

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今年の読書(97)『壱里島奇譚...
東京の商社に勤めている<宮口翔一>は、不思議な性能を持つ「たわし」の秘密を探るべく、常務の命令で天草灘の「壱里島」への出張を命じられます。

人口二千ばかりの小さな島は、若者が住まず、高齢者だけの過疎化の典型的な島として存在しています。
この島の将来に対して、新町長は原発で使用された「放射能廃棄物」の最終処分地として手を挙げ、補助金で島の立て直しを図ります。

前後して、この島の守り神である「魑魅(すだま)」が現われて、本来の島の姿を守ろうととする<宮口>や、自称パワースポット研究家と称する<機敷埜風天>の協力を得て、「ちゃんばら映画祭」を島で興行したりと、すっかり島民たちと馴染んだ生活が始まります。

時間を超えた因果応報を背景に、自然や人間関係のつながりを感じさせてくれる一冊でした。
思わず、「壱里島」を見たいものだと検索しましたが、まったく架空の島名のようですが、現実感ある描写、きっとどこかにモデルがあると信じています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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