アニメーション監督の<高畑勲>(1935年〈昭和10年〉10月29日~2018年〈平成30年〉4月5日)に焦点を当てたETV特集『火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート』が、本日<23:00>より「NHK―Eテレ」にて放送されます。
アニメション映画『火垂るの墓』は1988年4月16日に公開され、神戸の大空襲を体験した<野坂昭如>の『火垂るの墓』を原作として、太平洋戦争末期を舞台に、空襲で母を亡くした14歳の少年「清太」が4歳の妹「節子」とともに生きる姿を描いています。
<高畑勲>の没後、自宅から映画の創作過程を記した7冊のノートが見つかりました。<高畑勲>は自身の空襲体験をもとに原作を忠実に再現しようとする一方で、「F清太」という原作にはない存在をあえて作り出していたといいいます。
番組では、生前「これは反戦映画ではない」と語っていた<高畑勲>が『火垂るの墓』」に込めた思いに、7冊のノートと関係者の証言から迫ります。
番組を手がけたディレクターは、遺作となりました2013年11月23日公開の
『かぐや姫の物語』で<高畑勲>を取材して以降、親交を深めた<寺越陽子>が務めています。彼女は「戦後80年を迎えたいまもなお、戦争がなくならない世界。改めて高畑さんが『火垂るの墓』という映画にどんな思いを込めていたのか、わたし自身が知りたいと思い、取材を続けました。創作ノートから見えてきたのは、いまの時代のわたしたちへのメッセージだと思っています」と語っています。
なお『火垂るの墓』は終戦80年を迎える8月15日に日本テレビ系『金曜ロードショー』で放送されます。<高畑勲>の生誕90年に合わせ、東京・麻布台ヒルズ ギャラリーでは展覧会「高畑勲展 ー日本のアニメーションを作った男。」が、9月15日まで開催されています。