25日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比1円10銭円安・ドル高の「1ドル=143円65〜75銭」で取引を終えています。円の安値は「1ドル=144円03銭、高値は「1ドル=143円31銭」でした。
米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待から、主要通貨に対してドルを買い戻す動きが広がり、日米の通商交渉での円安・ドル高の是正を巡る思惑が後退したことも、円売り・ドル買いにつながりました。
米ブルームバーグ通信は25日までに、中国政府は「米国からの一部輸入品に対する(125%)の関税の一時停止を検討している」と伝えました。米国側では今週、<トランプ大統領>や、ベッセント財務長官>から関税を巡る対中強硬姿勢の緩和を示唆する発言が相次いでいます。
米中摩擦の悪化が避けられれば米経済を巡る過度な懸念の後退につながるとみられ、ドルは主要通貨に対して買われやすくなりました。中国以外では<トランプ大統領>は25日、日本との関税交渉は、詳細は報道されていませんが、「合意にとても近づいている」と話しています。関税政策を巡る先行き不透明感は根強く、通商交渉で前進がみられれば、ドル買いを支える要因となりえます。
<加藤勝信財務相>は、24日の<ベッセント財務長官>との会談後に為替目標は議論されなかったことを明らかにしています。会談に向けて市場では米国が円安・ドル高の是正を求めるとの観測が出ていましたが、<ベッセント財務長官>は23日に「特定の通貨目標を求める考えはない」と話していましたが、改めて円売り・ドル買いが出やすくなっています。