ファルコン昆虫記(989)【セマダラコガネ】(5)
5月
29日
体長10ミリほどの全体に卵形をした小型のコガネムシです。背面は茶褐色に黒褐色の斑紋がありますが、色彩に関しては「個体変異」が著しいようで、色は普通は茶褐色で黒緑色の大きな斑紋が左右にありますが、全面が茶黄色になるものから黒緑になるものまで変異があります。
本種は、琉球列島以外の日本全土に分布し、日本固有種であるとされていますが、フィリピン諸島が元々の生息地であり、そこから日本に持ち込まれ、日本全土に広まったとの説があります。
1908年ハワイに侵入した【セマダラコガネ】はサトウキビ畑に被害をもたらし、1920年にアメリカに侵入しイネ科の植物の根に被害を与えて〈オリエンタル・ビートル〉呼ばれています。1916年、先にアメリカに侵入したのが〈ジャパニーズ・ビートル〉と呼ばれている日本在来種の【マメコガネ】です。後から侵入した〈アジアテイック・ガーデン・ビートル〉と呼ばれている【アカビロウドコガネ】もともに害虫として恐れられています。