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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(80)『バタフライ・エフェクト』松嶋智左(小学館文庫)

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気に入っておりました<松嶋智左>の「女副署長」シリーズが、3作目の『女副署長 祭礼』で突然終わり、ガッカリしていました。

これからは、『開署準備室 巡査長・野路明良』シリーズが始まるのかなとみていましたら、本書『バタフライ・エフェクト~T県警警務部事件簿』が、2022年11月9日に文庫本書下ろしで発売されています。本書の副題「T県警警務部事件簿」から判断しますとシリーズになりそうな予感です。

T県警大貫警察署のトイレ内で、地域課の巡査「静谷永人」が首を吊っているのが発見されます。警官となり3年の若手の自殺の調査にあたるのは県警本部に新設されたばかりの警務部事件課のメンバーでした。キャリア部長が実績を残そうと作ったお飾り部署に寄せ集められたのは〈明堂薫・阿波野千夜・塙香菜子・道下映美・垣花太郎・田中開〉の6人でした。その責任者となった「明堂薫警部補」は奉職34年のベテランで、世代ギャップを感じる個性豊かな捜査員たちの取りまとめに苦労をしつつ、調べを進めていきます。

その頃、九久見警察署管轄内で起きた連続窃盗事件で、犯人の女二人組が逮捕されますが、そのうちの一件について、犯行時刻に別の場所で二人が目撃されていたという情報が入ります。誤認逮捕となれば、県警を巻き込む大問題となるだけに、「明堂薫」たちは、九久見署敏腕刑事課長として名をはせる「藤堂一雄」と対峙することになります。

若手警官を自死に追いやったものはなんだったのか。さらに、連続窃盗事件に絡む所内の不穏な動きが気になる「明堂薫」たちでした。

不規則な女性警察官たちの就業に伴う、夫や息子たちとの妻や主婦としての悩み、警察官の使命とを描き人生への懊悩もリアルな筆致で描き出しています。元白バイ隊んだった著者ならではの目線が随所に反映されているいっさつで、今後の「明堂薫」班の活動が楽しみになりそうな幕開けでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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