企業間の資金の決済に使われる手形を金融機関同士で交換する「神戸手形交換所」が、11月2日の業務を最後に廃止されました。1897(明治30)年の発足以来東京、大阪、名古屋に次ぐ全国4番目の規模として125年にわたり地域金融を支えてきましたが、手形利用の減少などで全国規模の電子交換所に移行します。兵庫県内では豊岡(豊岡市)、淡路島(洲本市)の両交換所も同時に廃止されています。
「神戸手形交換所」は、神戸市中央区の「神戸銀行協会」内にありました。その「神戸銀行協会」の建物も建て替えられるようです。
カトリック芦屋教会(芦屋市)など数々の名建築で知られる建築家<長谷部鋭吉>(1885~1960年)が手掛けています。地元経済界の交流拠点として親しまれてきましたが、建築から70年余りがたち、老朽化が目立つことから新しく生まれ変わります。新しいビルは地上11階、地下1階建て。2023年7月に着工、2025年4月に竣工予定です。
同協会ビルは1951(昭和26)年に完成しています。鉄筋コンクリート地上4階、地下1階。<長谷部鋭吉>は、設計大手「日建設計」(東京)の母体、「長谷部竹腰建築事務所」の創業者の一人として知られています。住友ビルディング(大阪市)や大阪カテドラル聖マリア大聖堂(同)、泉屋博古館(京都市)などの作品を残しています。
外壁はクリーム色で、1階南面には大理石の列柱が並んでいます。丸や横長、縦長とさまざまな形の窓が目を引きます。神戸銀行倶楽部も入り、財界人らの社交の場として使われてきました。手形交換所のほか、1964年には神戸経済同友会も入り、財界の拠点にもなっていました。
新ビルの総事業費は38億円。名称は未定ですが、プロジェクト名は「神戸旧居留地91番地プロジェクト」。事業主体は神戸土地建物(神戸市中央区)が担い、高さ49メートル、延べ床面積7760平方メートル。低層部の外壁は、旧居留地の景観になじむよう茶色のタイルを張り、1階はガラス張りの店舗になります。2~11階は賃貸のオフィス物件です。
現在の神戸銀行協会ビルに入る神戸銀行協会と神戸経済同友会は今年11月、いずれも同じ旧居留地にある三井住友銀行神戸本部ビルに移転します。
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