<藤沢周平>の短編小説を<中村梅雀>を主演とし、時代劇の名手<井上昭>が監督を務め実写化した『殺すな』が、2022年1月28日より全国で公開されます。
かつて妻を手にかけたことを悔いる浪人の「小谷善左エ門」と、同じ長屋に住む訳ありの若い男女、3人それぞれの心模様を描いています。裏店の長屋で筆づくりの内職をして生活している浪人の「小谷善左エ門」は、同じ長屋に住む船頭の「吉蔵」から、一緒に暮らす「お峯」の様子を見張るように頼まれていました。元は船宿の女将と抱え船頭だった2人は駆け落ちし、世間から身を隠すように暮らしていますが、「お峯」は退屈な日々に虚しさを感じ始めていました。
気晴らしのため川向こうへと架かる橋を渡ってみたいという「お峯」と、居場所が人に知れることを恐れて橋を渡るなという「吉蔵」でした。そんな2人の様子を、「善左エ門」はかつての自分と、自ら手にかけてしまった妻の姿に重ねあわせるのでした。
原作は、さまざまな人が行き交う江戸にかかる橋を舞台に描いた短編集『橋ものがたり』(1983年4月・新潮文庫)に収められた一編です。
「小谷善左エ門」役の<中村梅雀>のほか、「吉蔵」役の<柄本佑>、「お峯」役の<安藤サクラ>、「おはな」役に<中村玉緒>が出演しています。
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