北海道立文学館(札幌市)は3日、広島での被爆体験を綴った詩「原爆小景」や小説「夏の花」で知られる作家、<原民喜>(1905年(明治38年)11月15日~1951年(昭和26年)3月13日)のの新たな遺書が見つかったと明らかにしました。
<原>の文学仲間だった詩人の<長光太>(907)年(明治40年)~1999年(平成11年)に宛てたもので、遺書の内容の一部は知られていましたが、全文が判明したのは初めてになります。
同館によりますと、2003年に<長>の遺族から寄贈された資料の中から、今年10月に見つけられました。
原稿用紙1枚に「これが君におくる最後の手紙です」「為しとげなかつた文学の仕事や数々の心の傷手が僕にとつて残念だらうか」などと記され「長光太は長生してくれ。」と結んでいます。
<原>は1951年3月に自殺し、作家の<遠藤周作>らに宛てた複数の遺書が確認されています。<長>は広島で育ち、<原>と生涯にわたり親交があり、広島市立中央図書館には<民喜>に宛てた150通を超える書簡が残されています。今回見つかった遺書は当時札幌で暮らしていた<長>に送られたもので、<長>は遺書の内容の一部をエッセーに引用していたといいます。
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