<ヨハネス・フェルメール>当初の状態を一部復元@「窓辺で手紙を読む女」
5月
8日
画面上部にはオリジナルのキューピッドの上半身が姿を現しています。
一昨年春から本格的に始まった修復作業の過程で、X線や赤外線を使った最新の調査などから、キューピッドが塗り込められたのは、絵画作成の数十年後、<フェルメール>の死後であることがわかり、本人による上塗りではないことが判明していました。
<フェルメール>の現存する作品は三十数点とされています。手紙と女性を題材にした作品を6点残しており、「窓辺で手紙を読む女」は最初の1枚とみられています。絵画の中に額装絵画(画中画)を描く手法を好んで用い、大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開催中の「フェルメール展」(12日まで)に出品中の 「恋文」 などにも同様の手法がとられています。
「窓辺で手紙を読む女」は室内に立って手紙を読む女性を描いた作品で、女性の背後には壁が描かれていました。壁の下に裸のキューピッドが描かれていることは知られていましたが、<フェルメール>がキューピッドを描いた後、自ら壁を上塗りしたと考えられていました。