今年の読書(14)『スカラムーシュ・ムーン』海堂尊(新潮文庫)
4月
4日
冒頭は、金沢市を連想させる加賀市にある養鶏所「ナナミエッグ」を舞台として、一人娘の<名波まどか>を主人公として、現在の養鶏所の状況から、インフルエンザワクチンの問題点につなげ、『ナニワ・モンスたー』のワクチン騒動に絡めて話が進んでいきます。
奔走するのは、霞が関の陰謀を未然に防ぐべき異端の医師である「スカラムーシュ」(大ぼら吹き)こと<彦根新吾>です。
<彦根>は、ナニワ府知事<村雨弘毅>の提唱する日本からの独立を後押しすべく資金調達にヨーロッパ各地を駆けずり回ります。
対政府側は検察庁を窓口として、彼らの独立を阻止すべく対抗策を繰り出していきますが、さて結末は。読み切ったものだけの楽しみです。