『あおば鰹』~料理人季蔵捕物控~和田はつ子(ハルキ文庫)
6月
18日
主君である鷲尾家の長男に許嫁を横取りされた<堀田季之助>は名を<季蔵>と改め、恩人である<長次郎>の居酒屋『塩梅屋』の二代目として料理を作る板前だけではなく、裏稼業の刺客としての顔を持っています。
足を悪くした料理屋『夢さくら』の主<梅屋新兵衛>は、若い娘二人に店の厨房を任せていましたが、天麩羅油による事故で火傷で亡くす事件が起こりますが、何某かによる付け火だとわかりますが犯人は不明のままでした。
季節は「初鰹」に替わり、先代に「医者殺し」(鰹のアラ煮)をご馳走になった廻船問屋の<長崎屋五郎右衛門>が店に現れ、常連とも顔馴染になったある日、首を絞められて殺されてしまいます。
<梅屋>は黒砂糖の江戸での采配人であり、<長崎屋>は白砂糖の采配人ということで関連を感じ取り、<季蔵>は北町奉行の<烏谷椋十郎>と共に裏事情を探っていきます。
江戸の市井に生きる義理と人情が絡んだ捕物帖として、また当時の料理事情の生活も良くわかり、面白く読み終えれるシリーズです。