『そこへ届くのは僕たちの声』小路幸也(新潮文庫)
2月
2日
建築士の<真山慎一>は、妻<志保>が奇跡的に植物状態から意識を取り戻し、中学生の息子<倫志>との葛藤を書いた本を出版、ノンフィクションライターとして活躍しています。友人の新聞記者<辻谷>から、一日で戻ってくる子供の誘拐事件が全国的に11件も発生しているという情報をもとに調査を進める過程で、<ハヤブサ>という名前が耳に残ります。
<倫志>は、「森林天文台クラブ」に所属しており、徹夜での観測も当たり前ですが、ふと<慎一>は、誘拐事件の発生と<倫志>の天文台での宿泊日が重なっていることに気が付きます。
<慎一>が息子<倫志>をはじめ、子供たちが持つ特殊な能力にたどり着いた時、爆弾テロが電車を乗っ取る事件が発生、<倫志>の仲間たちは集結して事件解決のために火中に飛び込んでいくのですが、これから先の展開はぜひ本書をよんで確かめていただきたい一冊です。