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- 今年の読書(15)『花桃実桃』中島京子(中公文庫)
町外れに建つアパートを舞台とする小説は、 『妖怪アパートの優雅な日常』(香月日輪) ・ 『れんげ荘』(群ようこ) ・ 『てふてふ荘へようこそ』(乾ルカ) 等が思いつきますが、様々な性格の住民を登場させるには都合の良い設定だと思います。
主人公<花村茜>は43歳で独身、勤めていた会社から退職勧告を受け、70歳手前で突然急死した父<桃蔵>が残した築20年の「花桃館」に自らが移り住み、大家としての生活が始まります。
移り住んでからわかるのですが、住民の一人<雨宮李華>は亡き父の女であり、ウクレレおたくの<玉井>、整形依存症の<高岡日名子>、父子家庭の<妙蓮寺>家等、多彩な登場人物たちで人間模様の綾が繰り広げられていきます。
人生の折り返し点を超えた戸惑いと、同級生でバツ一の<尾木>とのほのかな恋心を散りばめて、<茜>が前向きに歩んでいく姿がユーモアに描かれている一冊でした。
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