今年の読書(58)『ミレニアム2』スティーグ・ラーソン(ハヤカワ文庫)
5月
3日
前作で苦境に陥った経済誌<ミレニアム>の記者である<ミカエル>は、フリーの調査員<リスベット>のたぐいまれな調査能力で依頼された事件を無事に解決しますが、彼女は12歳の頃に起こった「ある事件」により、無能力者扱いをされ、後見人をつけられる立場に置かれています。
無事に記者として<ミレニアム>に復帰した<ミカエル>は、幼い少女の人身売買と売春に従事させられる実態をあばくべく取材を進めている<ダグ>とそれを論文にまとめる恋人の<ミア>と共同作業を進めていましたが、ある日<ダグ>と<ミア>は銃殺され、その現場には<リスベット>の指紋が残された拳銃が残され、また<リスベット>の後見人である弁護士も死体で発見されます。
警察に殺人犯として指名手配を受ける<リスベット>ですが、彼女の無実を信じ、それと並行して人身売売買に関与する謎の人物<ザラ>を追い求める<ミカエル>の息詰まる攻防が物語を盛り上げていきます。
隠された衝撃的な<リスベット>の人生が語られると共に、終わり近い部分の読者を奈落の底に落とすような出来事が起こりますが、この先どうなるのかという不安な気持ちのまま第2部は終わりました。
結末は、第3部に引き継がれていますので、今後の楽しみに残しておきます。