タイトルの『ぬばたま』は、アヤメ科の「ヒオウギ(檜扇)」の種子を「ぬばたま(射干玉)」といい、ぬばたまのように黒いという意味から、「夜」や「髪」などにかかる枕詞のことです。
文庫本には、四話の短篇が収められていますが、それぞれの物語は「壱」・「弐」という具合に表され、短篇としてのタイトルはありません。
タイトルの「ぬばたま」が、各短篇にかかる枕詞として働いているようです。
各短篇の舞台となるのは、人里離れた「山」が舞台となり、それぞれに、男と女、闇と光、生と死、恐怖と陶酔の対比で書かれた物語が、読み手を幻想の世界に引きずりこんでいきます。
非常にリズミカルな文体で、繰り返し表れてくる文章が、読み手に対して想像力を膨らませる力を発揮している一冊です。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ
投稿日 2013-07-19 05:17
ワオ!と言っているユーザー
投稿日 2013-07-19 15:50
ワオ!と言っているユーザー