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ツナ缶レビュー zu-mix3.0

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  • ハッシュタグ「#気合の入ったツナ缶レビュー」の検索結果21件

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■初めての方は、国産ツナ缶の面白いとこをつまみ食いできる #めずらしいツナ缶 がおすすめです。

ゴースト「ツナ缶にしき」にご用の方は、←からどうぞ。



 おしらせ

 ・zu-mix3.0自家通販でツナ缶解説本を手売りしています。クレカ対応。

 ツナ缶レビューに大ボリュームの解説を交えた「ツナ缶の本 The Unlimited」が人気です。




由比缶詰所 ホワイトシップ印・炙りビントロ(2017)1年寝かせたレビュー書下ろし

スレッド
“びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙...
“びん長鮪のハラモ肉を軽く『炙り』、一枚一枚丁寧に手作業ではがしたものを、その香ばしさと共に閉じ込めました。単品ではもちろん、パスタやサラダのトッピングとしてもお使いいただけます。”




由比缶詰所 ホワイトシップ印

炙りビントロ(2017産)

びんながまぐろトロ肉オリーブオイル漬スライス

最高級品


由比缶詰所 ホワイトシップ印・... 由比缶詰所 ホワイトシップ印・...

創業85年の老舗が紡ぐ伝説のツナ缶



 由比缶詰所のフラッグシップ、「炙りビントロ」。ツナ缶ブログの愛読者には説明不要のレジェンドだが、改めて一から解説する。



 「入手性を無視して、長井さんが最高と思うツナ缶は何ですか?」への答え。

 ビンナガの身を炙り、それを一つ一つ剥がし詰め、オリーブオイルに漬けたツナ缶。



 そのグレードはツナ缶ブログの5.0点評価を覆す6.0点。炙ったビンナガの身を崩さずにはがして詰める職人技は、缶詰会社の求めた最高のツナ缶といえる。2013との相違点で、2016年からモンマルシェが1296円のツナ缶を出し始めたが、「かたまりのまま詰める技術」と「炙ったビンナガの身を崩さずにはがして詰める技術」は全く別のベクトルにあり、これらの量産はどちらも他社が簡単に真似できるものではない。モンマルシェがデザインや情報と味のトータルバランスで最高級を目指したのが、由比缶詰所はただ味の一点勝負だけで最高級を作り出したのだ。

 その味はツナ缶ブログの5.0点評価を覆す6.0点。味で5点満点を超える規格外ツナ缶は片手の指で数えられるだけしかなく、6.0点は2013年からツナ缶ブログでもっとも高いスコアになっている。

 その入手性はツナ缶ブログ評点ギリギリ最低の0.1点。公式の通販では買えない。由比にある直売所に行かないと買えず、ツナ缶求道者か地元民しかその味を知ることは不可能な、門外不出の味を堅持している。2014年頃まではお得意様向けの通販で購入できたのだが、ここ数年はずっと直売所限定となっている。通年購入できるツナ缶の中ではこれが最も入手しづらいツナ缶だ。



 新陳代謝の激しくなるツナ缶業界だが、これ以上に伝説のツナ缶という二つ名の似合う製品は未だ現れていない。

 同価格帯のTVSEきはだとろ炙り(No.68)やシーチキンとろはグレードも味も勝負にならない。価格と中身で最高級を獲りに来たモンマルシェ鮪とろ(No.48)も、正直炙りビントロに及ばない味というのが感想だ。山梨罐詰の鮪のトロ醤油味はキハダ使用という点で単純比較が困難。



筆者が炙りビントロに寄せる思い



 公開日の本日10月10日は「缶詰の日」で、「まぐろの日」だ。およそ1世紀以上前、初めて官製缶詰(鮭缶)の量産に成功したと記録されているのが1877年10月10日だから、缶詰協会が缶詰の日にした。まぐろの日については、726年に百人一首の歌人の一人・山部赤人が明石で鮪についての歌を奏上したのが10月10日だからまぐろの日になった

 缶詰の日でまぐろの日──実質ツナ缶の日といえるこの日に、筆者は生を受けた。ツナ缶の知見を深めるなんて縁もゆかりもなかった少年時代と学生時代を送ったのに、社会人となってから突然変異めいてツナ缶の蒐集に目覚めたことと、実質ツナ缶の日に生まれたのは、何かの因縁なのだろうか……

 筆者がツナ缶を勉強しだしたのはせいぜい5年くらいしか経ってないが、その5年前に筆者を変えたツナ缶がある。それが由比缶詰所の「まぐろフレーク油漬(水色)」と「炙りビントロ(2013)」である。前者でツナ缶に深淵があると知った筆者を、後者は容赦なく沼の底に近い所へ突き落とした。以後、何をしても三日坊主になるような性格を無視して、5年弱も「ツナ缶のことだけを延々と書いたブログ」を運用し続けることになると、当時は思わなかっただろう。なんのマネタイズもせず、ただ趣味だけで。

 この5年間にもツナ缶にまつわる情勢は変わっているが、国内主要ツナ缶製造会社のうち由比缶詰所だけが5年間のうちにツナ缶の新規プロダクトを出さなかった。そのくらい既存の自社製品に磨きをかけている、あるいは極めて保守的な会社がこの二つということだろう。



 自分の誕生祝いくらい、特別なツナ缶を開けたい。そこでこれを持ってきたわけだ。

 炙りビントロは年を変えるごとに、その年のビンナガの脂乗りなどで味が微妙に変わる。そのため、各年製造ロット分ごとにツナ缶レビューを書いている。

 なお、2017ロットを今開けているのは、メーカ側が十分な熟成を進めるため翌年春~夏ごろになるまで前年ロットを解禁しない(2018秋に買えるのは、今年夏に解禁された2017ロット)という事情によるもの。2017.10製造。ちょうど1年熟成されている。



缶を開けたところ



  

 美しい。

 ひいき目かもしれないが、誠に美しく詰められている。それぞれ一度はがされた身でありながら、一つたりとも崩れていない。筆者はこの身を一枚一枚ゆっくり分離させて食べるのが好きだ。

  

 身はやわらかく、食べても身が崩れてこない。しっかりした食感を楽しめる。下味は相変わらず薄く、調味料とも喧嘩しにくい。由比缶詰所の他オリーブオイル漬で使われているのと同じ油で、強い香りはなくサラサラしている。存在感の主従関係はしっかりまぐろ>油となっていて、鮪とろ(No.48)のようにオリーブオイルを全面的に押し出してエレガントさを演出したものと全く異なる性格に仕上がっている。同じ超高級品の次元だが、手に入れたキャラは全く異なっている。

 2013産と比べより炙り目が薄く、焦げるような香りは引っ込んでいる。

 

 味という面で、これの右に並ぶツナ缶はいまのところないと思う。5年間、百数十種のツナ缶を食べても尚、結論は変わらなかった。

 

 

 たとえ今後のツナ缶が、情報を食う時勢になったとしても。

 たとえ今後のツナ缶が、高級品と廉価品の二極化になったとしても。

 

 本品には、毎年変わらず「伝説のツナ缶」であってほしいという、”私”の思いを載せて、筆を置くこととする。



各種スペック





・グレード ★★★★★★ 6.0

・価格   ★★★★★☆ 5.4 #540円/個(直売所)

・味覚評価 ★★★★★★ 6.0 #レジェンドはレジェンドのまま

・入手性  ★☆☆☆☆☆ 0.1 #直売所限定

・原産国  国産



内容量80g 322kcal/缶 食塩相当量0.5g

原材料 びん長まぐろ(国産)、オリーブ油、食塩

JAN:なし 製造固有記号IM

製造者 株式会社由比缶詰所(静岡市清水区由比429-1)

Tuna canning review No.118



■「ツナ缶スーパーリンク!!」





(No.03)炙りビントロ(2013産)


→5年前に書いた、2013年産炙りビントロの記事。これを立ち上げたばかりのブログの3記事目にもってきてて、ああこの時期から道を踏み外してたんだなと思った。しかも書いてることはあんまり変わってない。当時の値段は☆6評価だけど、今はこれより高いツナ缶たくさんあるため2017産は5.4に改定。



(No.11)まぐろ油漬フレーク(綿実油)


→”筆者をこの道に引き込んだ其の製品”。ホワイトシップ印復活の当初からラインナップされてる。水色の油漬フレーク(綿実油)は地元民に強く支持されてる不朽の名作。シーチキンLフレークがライトミート製品の基準点なら、油漬フレーク(綿実油)がホワイトミート製品の基準点。



(No.68)トップバリュセレクト きはだまぐろとろ炙り

→槍玉1号。販売価格はほぼ同じだが、こっちは流通コストも上乗せされてる。同価でこっちがグレード劣るのは仕方ない。イオンで売ってる。



(No.48)オーシャンプリンセス鮪とろ

→槍玉2号。1296円。こっちは全国流通を目的にしたお取り寄せブランドのモンマルシェだ。ローレルや高級オリーブオイルなど、香りづけが強い。トータルデザインで高級品。炙りビントロが静岡生まれの最高級なら、こっちは(今のところ)気仙沼生まれの最高級といえるだろう。
#めずらしいツナ缶 #オリーブオイル漬 #気合の入ったツナ缶レビュー #由比缶詰所

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三洋食品 プリンス・きはだまぐろ油漬けフレークを食べたレビュー

スレッド
三洋食品 プリンス・きはだまぐ...



三洋食品 プリンス・きはだまぐろ油漬けフレーク

きはだまぐろ綿実油漬フレーク・廉価品


"赤缶の調味料はそのまま、お魚はさっぱり味のキハダマグロです。"



(2019.7追記:2019夏季から正式パッケージのキハダマグロ油漬フレーク(インスタ)に昇格。中身は同じだが、見た目と価格が変更された(白缶→印刷缶、100円→130円)。本記事掲載内容は2018.6のキハダマグロ油漬フレークが白缶だったころの解説である)



 

徹底的なコストダウンで驚異のスペックを実現したツナ缶



 ツナ缶の、そして自社ブランド缶の歴史が長い三洋食品。伝統を守りながらも2017末~2018上半期は立て続けに新製品を輩出しており、

 ・デュカ&ギー、バジル、トンナート

 ・(本記事)プリンス きはだまぐろ缶

 ・リエッツナシリーズ(ケッパー、チーズ、アーモンド)

 と、1社で7品目という怒涛のペースだ。リエッツナは販路を広げる予定とされているが、生まれたばかりの製品で現状目立った動きは確認されていない。



 そして、今回取り上げる「きはだまぐろ油漬けフレーク(カタログ名:無印キハダツナ缶)」は、直売所・自社通販のみを販路として、日常的に三洋食品のプリンス赤缶(No.69)を補給するヘビーユーザー向けのツナ缶となっている。自社通販では24入・48入から購入できる。

 原材料まぐろを赤缶のビンナガからキハダに変えた「のみ」でコストダウンを図っているが、明らかに単価がおかしい。

 

 

綿実油漬で税込100円なのだ。



 

 前代未聞である。もともとプリンス赤缶が仕切り同然の単価(145円/缶)で、そこから原材料まぐろを変えれば確かにこのくらいの金額にはなりそうだが、1缶100円は一般的なきはだまぐろ+大豆油ツナ缶(国産)の中央値に近い。油漬缶は液汁のほとんどが油だから、綿実油と大豆油を比較すると1缶あたりの単価がけっこう開く。

 なぜこんな芸当ができたか。そのヒントとして「簡素なパッケージ」が挙げられる。



 製品は何も印刷・ラベルのない白缶で、法律上必要な原材料や栄養成分などの一括表示は外袋や箱にラベルで貼ってある。トンナート風などに貼られているのと同じP4号缶の天面に合わせた丸いラベルだ。24缶それぞれに貼るのと外袋に1つ貼るのとでは、単純計算で貼るコストも印刷費も1/24になる。ラベルの印刷費はスケールメリットが効きやすいとはいえ、軽視できない。ターゲットがヘビーユーザーとするなら、白缶でも何ら差し支えないと個人的に思う。

 このパッケージの簡素化とまぐろ変更、販路を自社オンリーにすることによって、綿実油漬ながら税込100円での販売を可能としたのではないだろうか。品質に妥協せずコストを下げるという命題を、まとめ売りで個包装の印刷を省くというコロンブスの卵的発想で克服した。2018.2製造。



☆缶を開けたところ



  

 見た目は一般的なキハダ製品とほとんど同じ。味も赤缶と大差ないし、塩味の強さも同様。

 正味何が違うのか…と聞かれたら、「魚が違う」としか答えようがない。そのくらい味は整っている。綿実油のしっとりさに輪をかけてキハダ由来のしっとりさが重なっているため、塩気も含めてソフトなディティールとなっている。塩のトガリとの向き合い方で山梨罐詰の油漬フレーク(No.64)と対極をなしているように思う。

 ビンナガと比べ相応に身が固い。チャーハンのような火力のある料理との相性が期待できる。

 

 さすが固定ファン向けの製品といったところか。お値段以上のコストパフォーマンスも見逃せない。

 





☆各種評価

・グレード ★★★★☆ 3.5

・価格   ★☆☆☆☆ 1.7 #100円/個 綿実油最安

・味覚評価 ★★★☆☆ 3.8 #お値段以上(2019現在終売)

・入手性  ★☆☆☆☆0.3 #直売所限定

・原産国  国産



☆スペック

内容量 70g

225kcal/缶 食塩相当量0.5g

原材料 きはだまぐろ、綿実油、食塩、野菜エキス、調味料(アミノ酸等)

JAN:なし 製造固有記号キハダ

製造者 三洋食品株式会社(静岡県焼津市焼津5-7-3)

Tuna canning review No.108
#きはだまぐろ #めずらしいツナ缶 #三洋食品 #気合の入ったツナ缶レビュー #綿実油漬

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「ながいずみ印 ホワイトツナ」同人ツナ缶量産品(No.2)制作の軌跡

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"ツナ缶製造量日本一 静岡生ま... "ツナ缶製造量日本一 静岡生まれの同人ツナ缶"



  zu-mix3.0 ながいずみ印・ホワイトツナ

  びんながまぐろ油入り水煮フレーク

同人ツナ缶(No.2)


忙しい人向け要約



・137kcal/缶でとってもヘルシー

・味は筆者が徹底的にチューニング

・最低ロットを複数人で割って作った。作家ごとに異なる見た目のバージョンあり

・液汁は切らずに食べてほしい

・そのまま食べるのは勿論、おかゆやお茶漬けに混ぜるとよりツナ缶の奥深さが見えてくる



※本記事はツナ缶ブログ屈指の長い記事(2500文字)となった。フルバージョンを同人誌で発表しようと思ってるのにこれだけ長くなってしまった……

腰を据えてゆっくり読んでいただくことをおすすめする。感情的な文言が多いのは許してほしい。



☆同人ツナ缶(No.2)の概要



 世界初の同人ツナ缶(No.1 レビューNo.100)からまもなく2年。びんながの綿実油漬けチャンクとして生まれ、筆者に至高のツナ缶体験を与えた。しかし、1缶3000円をこえる非常に高いコスト、ほぼ自力での製造によって不特定多数への頒布が困難だったNo.1の問題点を克服するため、シーチキンのOEMをおこなっている缶詰会社へ赴きツナ缶を一から作り上げることにした。ハード・ソフト面の両方でこれを結実したのが本品No.2である。

 相変わらず「非売品で有償頒布はできない」ものの、無償頒布に割り切ったことで制約は大幅に緩和され、一個人でツナ缶を製造できた。

 

 ■コンセプトは「さらなる量産化への情報収集と再頒布」と「ビンナガ油入り水煮」、「ラベルデザインのフルスクラッチ」に集約された。



 

「さらなる量産化への情報収集と再頒布」

業界とのつながりがない一個人がBtoB企業に制作を打診するにあたり、問題点と解決策を洗い出すこと。そして、それが実現したら何ができるのかを考えること。ツナ缶の製造と頒布には食品表示法(2020)や景品表示法など、非常に複雑なソフト面の制約がある。しょっぱなから【製品化】を目的としたプロダクトデザインに走れば、噴出する問題点の数々に溺れて一個人のキャパシティを上回ってしまうだろう。ここをNo.1同様に【非売品】と割り切ることで、様々なハードルを下げ、簡易的な量産化の足がかりを得たのである。なお、一般的に出回るツナ缶とまったく同じ衛生基準・製造ラインでつくられ、その中で密封されたツナ缶なので、有償頒布以外の方法(各種同人イベントでノベルティとして本のおまけにする、グッズセットに同梱する、差し入れetc)で頒布ができる。



 

「ビンナガ油入り水煮」

完全に私の趣味だ。製品化された市井のツナ缶たちで「びんながまぐろの」「油入り水煮」という二つを併せ持った製品は観測できていない。2013年より前に存在したり、試作設計をおこなったり、海外に存在する可能性は否めないが、少なくとも私がびんなが油入り水煮というカテゴリを今まで見たことがなかったために「同人なのだから自分で作ろう」と思い制作に踏み切ったのは何らおかしな話ではないだろう。缶詰会社には油入り水煮を作りたい旨リクエストして、ラベル製作と並行して二人三脚で試作を重ねた。これにより、同人ツナ缶は今まで消費者が食べたことのなかったツナ缶の味をもつオンリーワンの缶詰となった。



 

「ラベルデザインのフルスクラッチ」

ツナ缶の顔がラベルだ。おいしさや製品の訴求点を表現し、同時に【一括表記】という食品表示法で義務付けられた表記(原材料とか製造所とかの書かれた枠)の仕様を関係省庁と足並みをそろえ反映しなければいけない。ラベルデザインの制約で【一括表記】をはじめ、栄養成分表記、リサイクルマークを入れる必要がある。それによって多くの制約が生まれた。文字サイズ、リサイクルマークの大きさ、製造所の表記、栄養成分の検査など。

 また、今回は缶の天面・側面の両方を使うことで、よりグラフィカルに、作家が表現したいものをツナ缶の上で表現できるようにした。この表記を固めるまでの紆余曲折で筆者が悲鳴を上げそうになった。なにより、作家の自由度をある程度確保することで、その作家のファンがツナ缶で喜び、さらに高品質な国産ツナ缶の味を喧伝する営業係として機能するのだ。これがSNSなどで拡散すれば、ツナ缶多様性の浸透をこいねがう筆者にとって感涙の極みだ。

 

 上記のコンセプトをもとに、試作、味の改良、ラベルデザインの策定をおこない、5/24に初期ロットが生まれた。リアルでのお披露目は6/2に乱入するT-1グランプリまでかかってしまうが、今夏以降のイベントで順次「本のおまけ」として頒布する予定だ。

 また、この同人ツナ缶(白缶)で「ITO(イニシャル・ツナ缶・オファリング)」を実施。同人ツナ缶のコンセプトに賛同した作家数人に、私の発注した同人ツナ缶を製造原価と同額で引き渡した。要は身内で発注数を取りまとめたら(一般的な発注数量を大きく下回ってるけど、そこは缶詰会社の強い厚意で)引き受けてもらえる運びとなった。

 (なお、不渡りが起こったらそのツナ缶を全て自分用に転用する覚悟でいたのは言うまでもない)

 ずいぶん前置きが長くなってしまったが、この同人ツナ缶を実食レビューしよう。2018.5製。



 

缶を開けたところ





 見た目は非常に白くて綺麗。一般的なびんなが油漬製品と異なり、油の分量が少ないことでびんなが本来のカラーがあらわれることに由来する。

 スペックの食塩相当量を見てわかる通り、下味が一般的な油漬缶よりしょっぱい。その代わり、魚特有の生臭さは引っ込んで全く目立たない。水煮・油入り水煮特有の現象を、下味をつかさどる原材料の混合比をコンマ単位で変えて、豆腐めいた魚の生臭さを目立たなくした。液汁は捨てないでほしい。

 そのまま食べるのはもちろん、缶を開けてお茶漬け・おかゆに混ぜるだけでも手軽においしく楽しめる。製品コンセプトから油を減らしたことでお茶漬けのさっぱり感をキープでき、極上のツナ缶体験ができるだろう。





 見た目のミーハーさだけで終わらない。転び方によってはツナ缶多様性、一般人のツナ缶意識すらも変えるほどの革命を起こしうる同人ツナ缶。

 有償頒布不可というソフト面・味の追求というハード面。いずれも発展途上だが、これはプロトタイプだ。今後の伸びしろとして捉え、これからも育てていきたい。







☆各種評価



・グレード ★★★★☆ 3.9

・価格   ★★★★☆ --- #製造原価200円超!

・味覚評価 ★★★★★ 4.8 #私の作りたかったツナ缶・二つ目

・入手性  ☆☆☆☆☆ 0.1 #非売品、本のおまけ

・原産国  国産



☆スペック



内容量 70g

137kcal/缶 食塩相当量1.1g

原材料 びんながまぐろ(国産)、大豆油、食塩、野菜エキス

JAN:なし  製造固有記号なし

デザイン zu-mix3.0 長井ずみ

製造所 山梨罐詰株式会社(静岡県静岡市清水区興津中町974)

Tuna canning review No.112
#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #気合の入ったツナ缶レビュー #油漬

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伊豆川飼料 とろつなを食べたレビュー

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伊豆川飼料 とろつなを食べたレ...
“ パスタや炊き込みご飯に使っても、そのまま食べておつまみにしても最適です。 つな兄弟の兄。”



伊豆川飼料 とろつな

きはだまぐろ油漬けスライス・高級品





飼料会社のツナ缶



 伊豆川飼料は、静岡で魚を原材料とした飼料・肥料を製造する会社だ。飼料というといまいちピンとこないかもしれないが、ツナ缶の原材料からハネられたまぐろ・かつおの破片(頭や尾を含む、ツナ缶にしなかった部位ほぼすべて。=加工残渣)を缶詰会社から購入して、骨ごと細かく砕いて、農作物の肥料に作り替えている……という感じになる。

 ツナ缶ではおよそ魚体の60%がツナ缶になるのだが、残りの40%は食べられない。余すことなく再利用して、環境負荷を減らすと同時に「生き物を無駄なく頂く」ことができている。そういう意味で、ツナ缶の製造にも深くかかわっているのだ。



 本品「とろつな」は、その伊豆川飼料と取引のある缶詰会社(駒越食品)がタッグを組み、普段表に出ない飼料会社の想いのたけをパッケージやリーフレットに表現することで、競争の激しい高級ツナ缶市場にエントリーしたものである。2010年代後半のフラットなデザイン思想をスリーブに反映できたのは、異業種ならでは。

 また、兄弟品──名実ともにつな兄弟の弟・しろつな(びんなが油漬 No.106)がある。

 

 

……でもこれ駒越食品・まぐろ中とろ(No.23)のリネーム品じゃない?



 いや、違う。ツナ缶意識の高まった読者は筆者とともにまぐろ中とろとの著しい類似性を指摘するが、細部が異なる。

 原材料の配列はまぐろ中とろと一致するが、本品の缶カロリーは245kcalで、中とろの249kcal/缶を下回っている。食塩相当量も低い。同一仕様の製品というよりはOEM向けに再設計したものと思われる。


【2018.7.19追記】7/3、伊豆川飼料へ取材に行って、これがまぐろ中とろと同一仕様のツナ缶であることが確定した。したがって、とろつな・しろつな共に駒越食品の製品をOEMとした製品だ。上記の消し線はレビュー当時の考察である。

 販路はドリームプラザ等きわめて狭いので、公式サイトの取り扱いショップページを確認してほしい。2017.11製。スリーブの中身は黄土色の無地缶(P4号DR缶)だ。



缶を開けたところ・味





 香りや味の第一印象はまぐろ中とろと大差ない。若干あっさりしているかなという所感を抱いたが、ブラインドテストして利きツナできる自信はない。

 製品単体だけでの評価でいけば、このスライスされた大きな身と柔らかな食感は、多くの人を虜にするだろう。油もシーチキンLフレークよりはあっさりしていて、くどさ・えぐみは少ない。



 食べれば食べるほどまぐろ中とろのプロダクトパフォーマンスが分かる。それを伊豆川飼料という、地続きだが異業種の会社が現代的に再デザインしたという意義は確かにある。

 実売価格は倍ほど高くなったが、スリーブに入れたことで贈答品としても見劣りしなくなった。この点は「缶のまま渡すにはちょっと……」という同製品の弱点を克服していることになる。



 眠れる自社ブランドツナ缶を、異業種の会社がOEMで掘り起こして再循環させる。

 ともすれば「焼き増し」と言われかねないが、完全新規のプロダクトを外す(No.26)よりは既製品ベースのプロダクトで堅実にまとめ、スリーブによる高級感の演出や新規ブランドが妥当か市場に聞いてみるという行動は賢いと私は思う。とくに2010年代後半のデザイントレンド──インスタ映えを強く意識したデザインのツナ缶は初めてなのだから。



 筆者としては、BtoBの企業がツナ缶多様性の表舞台に出てきたことを歓迎したい。





☆各種評価



・グレード ★★★★☆ 3.8

・価格   ★★★★☆ 4.0 #324円/個 (エスパルスドリームプラザかんづめ市場)

・味覚評価 ★★★★☆ 4.2 #まぐろ中とろを現代的に再デザインしたフォロワー

・入手性  ★☆☆☆☆ 0.9 #販路が独特で、ネット通販なし

・原産国  国産



☆スペック

内容量 80g

245kcal/缶 食塩相当量0.9g タンパク質14.5g

原材料 きはだまぐろ、大豆油、野菜スープ、オリーブ油、白醤油、食塩、昆布エキス、椎茸エキス、調味料(アミノ酸等)、くん液、(原材料の一部に小麦を含む)

JAN:なし 製造固有記号YN4C KGS

販売者 伊豆川飼料株式会社 (静岡市清水区横砂南町4番35号) 製品ページ

Tuna canning review No.105
#きはだまぐろ #スライス #気合の入ったツナ缶レビュー #油漬 #駒越食品

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三洋食品 トンナートソース風ツナフレーク(プロトタイプ)発売前の実食レビュー

スレッド
三洋食品 トンナートソース風ツ...



三洋食品 プリンス(Prince)印・トンナートソース風ツナフレーク

まぐろ味付けフレーク・プロトタイプ!





 焼津水産高校すぐ近くに立地する、三洋食品。

 11月に取材へ赴いたのだが、担当者Y氏からお土産として試作品のサンプルをいただいた。11月下旬プレ発売開始する品で、レビューを公開しても構わないということだったので、公開させていただく。

 

 トンナートという言葉を初めて聞いたので調べたが、おおざっぱに言うと「肉にツナを混ぜた白いソースをかけるイタリアの料理」で、トンナートソースはその「ツナを混ぜた白いソース」のことを指す。

 そのレシピ自体に大きな差異があり、オイルヒーターとか作ってるデロンギ社の解説では「ツナにゆで卵の黄身やアンチョビ、ケーパーを混ぜたもの」となっているが、純正ごま油で有名なかどやの解説では「ツナとマヨネーズとケッパーと香味を混ぜたもの」となっており、とりあえず「冷やした肉にかける用の、ツナとケーパーを使ったすっぱくて白っぽい液体」という認識で合っている。はずだ。たぶん。

 

 なぜこんなあいまいな書き方かって?

 

 「これはプロトタイプのツナ缶!」

 

 つまり白缶にこのラベルが貼ってあるだけで、製品ではない。したがって、原材料名等も書いていない。

 わからないのだ。開けるまでどんなツナなのかわからないのだ。トンナートで調べても、イタリア料理に明るくない筆者は更に混乱してしまった。

 やむを得ない。答えは目の前にあるのだ、開けよう。2017.10製造。ツナ缶ブログ初「発売前のツナ缶レビュー」の瞬間。



☆缶を開けたところ

  

  …ん? この香りは? たまねぎとマヨネーズの混ざった……この香りは覚えがある。



  

 中身を箸でほぐした。なおのことマヨネーズの香りが広がる。

 口に含むと、マヨネーズのすっぱさとツナのフレッシュな塩味、ちょっとの苦みがある。このピクルスめいた色をした実、ケーパーが隠し味程度の苦みを付与しているものと思われる。まぐろはびんながまぐろと思われる。

 思いついた使い方として、マカロニを混ぜてチーズ載せてオーブンで焼けば「トンナート風グラタン」が出来上がる。酸味の強い個性的なグラタンだ。

 味のディティールを一行で言えば:

 

レベル高いツナマヨ!



 トンナートの名前通り、イタリア料理風の白いツナ入りソース。そして、ツナマヨにない味の重厚感。

 おそらく三洋食品はこの重厚感を出したくて、そして単なるツナマヨで終わらせないようトンナートソース風という名前で差別化をはかったのだろう。

 

 イタリア料理を日本の家庭で手軽に再現できる、普段使いのツナマヨをパワーアップできる、日本人好みの和食にも適性があるという点で、小売の新しいレーンを切り拓けるかもしれない。

 赤缶のようなオーソドックスで高品質な製品を作るさなか、このような挑戦的ツナ製品を作って世に送り出す姿勢。その姿勢はかっこいいのだが、フルーツナ同様にうまくプロモーションを打てるか……という課題が残る。個人的には味の想像がまったくつかなかったし、それはバイヤーも消費者も同じだろう。

 スーパー等で試食ができるよう展開して「パンにも合う」「ごはん三杯いける」ということを消費者に訴求できれば、より販路を広げられるのでは…と思った。



※これは試作品の提供を受けて執筆したものであり、実際に発売する製品と仕様が異なる可能性があるため、注意されたい。

 





☆各種評価

・グレード 【試作品】

・価格   【試作品】

・味覚評価 ★★★★☆ #ツナマヨのレベル高い版

・入手性  【試作品】

・原産国  国産



☆スペック

内容量 --g

---kcal/缶 食塩相当量-g

原材料 (試作品のため、表記なし)

JAN:なし 製造固有記号なし

製造者 三洋食品株式会社(静岡県焼津市焼津5-7-3)

Tuna canning review No.92
#びんながまぐろ #三洋食品 #味付 #気合の入ったツナ缶レビュー

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黒潮町缶詰製作所 カツオの和だし生姜煮こごり風を食べたレビュー

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黒潮町缶詰製作所 カツオの和だ...
 “日本一の一本釣りカツオ船団の町「黒潮町」の一本釣りカツオと、日本一の生姜の産地「四万十町」の生姜をじっくりコトコト甘辛醤油の出汁で煮込みました。”



  黒潮町缶詰製作所
  カツオの和だし生姜煮こごり風

   かつお生姜煮ソリッド・高級品





☆コメント

 高知の果て、黒潮町で第三セクター方式の運営をおこなっているベンチャー缶詰会社、黒潮町缶詰製作所。非常食のローリングストックに普段使いできるおいしさを求め、「日」常食を掲げた。これもツナ缶をそのまま和食のおかずにしたような製品だ。

 ツナ缶ブログでは以前「黒潮町のごろっとカツオ(No.85)」を取り上げ、製品と記事の両方で高い反響があったが、今回有難い機会を得て変わり種のツナ缶をレビューできる運びになった。



 この「カツオの和だし生姜煮こごり風」は、生姜やあまじょっぱい調味料で液汁ごと固めたものである。

 煮こごりという言葉を初めて見たので辞書で引いたが、要は出汁も魚のうまみも全部寒天で固めたものということらしい。原材料の寒天でシーチキンアスリートの記憶がよみがえるが、先入観は捨てておこう。自社通販サイトの製品ページでも、ひじきにコレを乗せたアレンジレシピが紹介されているため、コテコテの和風おかずといった印象だ。

  ちなみに、ツナ缶ブログを標榜している本ブログだが“原材料の一番最初が「まぐろ又はかつお」で、開けてすぐの実食ができるものなら普段通りのレビューは可能”と定めた前例と、“ツナ缶(まぐろ・かつおの油漬け、味付け)や【その関連商品】”という但し書きがあるので、このくらいまでは十分許容範囲だ。このルールを濫用した悪しき前例(No.52)もあるのだから、何ら問題はない。

 販路は本社直売+本社通販、一部の高知県アンテナショップなど。2017.6製造。7大アレルゲンを含まない。



☆開けたところ

  

スライスした大切り生姜とカツオがドーン!



 二連続でドーンしてるが、実際これでもかと缶詰の中でインパクトを放つように入っているのだ。仕方があるまい。

 生姜は原材料本来の甘みと香りを持っていて、かじっても辛くない。また、液汁は寒天で固められているわけではなく、寒天でとろみをつける程度の硬度になっている。その液汁も生姜味とあまじょっぱさを持っていて、これ自体が優秀なタレになり得る。

 かつおの身は前回のごろっとカツオ程のインパクトはないものの、しっかりとかたまり状をしている。一般的なかつお缶と一線を画す十分なボリュームはそのままに、おかず缶詰としての適性が増している。

 しいてデメリットを挙げるなら価格と、生姜の味が苦手な人には向かないことだろうか。よくある生姜ペーストと異なりスライスしょうががそのまま入っているため、味や食感がどうしてもダメな人には厳しいものがある。

 

 日本酒と白飯がいくらあっても足りないかつお缶。これ一品で十分なおかずになるクオリティがあり、筆者の寒天に対する偏見も払しょくされた。



 なお、本記事は黒潮町缶詰製作所の好意によってサンプル提供を受け執筆した。当ツナ缶ブログ・ツナ缶本の理念に賛同してツナ缶・自社缶詰製品サンプルを頂いたことに深く感謝を申し上げるとともに、本記事公開をささやかな御礼としたい。

 「ダイレクトマーケティングだから褒め倒してるんでしょ?」と思った諸兄にこそ試していただきたい和食ツナ缶だ。ほんとにごはんに合うから。合わなかったら私に文句つけていいから。

 

☆各種評価

・グレード ★★★★☆ 4.6

・価格   ★★★★☆ 4.8 #450円/個

・味覚評価 ★★★★☆ 4.9 #「足し算」の可能性

・入手性  ★★☆☆☆ 1.5 #本社直売、本社通販

・原産国  国産



☆スペック

固形量55g / 内容総量95g

102kcal/缶 食塩相当量-g

原材料 カツオ、米発酵調味料、黒糖、生姜、料理酒、合わせだし、おろししょうが、寒天、食塩、増粘多糖類(加工でんぷん)

JAN:なし 製造固有記号カツオショウガ

製造者 株式会社黒潮町缶詰製作所(高知県幡多郡黒潮町入野4370-2) 製品ページ

Tuna canning review No.89
#かつお #めずらしいツナ缶 #味付 #気合の入ったツナ缶レビュー

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黒潮町缶詰製作所  黒潮オイルのごろっとカツオを食べたレビュー

スレッド
黒潮町缶詰製作所  黒潮オイル... 黒潮町缶詰製作所  黒潮オイル...
“一本釣りのカツオをオリーブオイルとキャノーラオイルをブレンドしたオリジナルオイルで仕上げました。

使用している黒潮町産の天日塩がカツオの旨味を引き出しています。”





  黒潮町缶詰製作所 黒潮オイルのごろっとカツオ

  かつお油漬けソリッド・高級品





☆コメント

 高知県の果て、土佐入野の近くにある缶詰会社「黒潮町缶詰製作所」。2014年に設立されたばかりのベンチャーで、黒潮町の名を冠していることからもわかるように第三セクター方式での経営を行っている。公式HPの会社概要で触れられているが、ロゴマークの34m旗は、黒潮町の南海トラフ地震津波予想高が34.4m(全国一)という点をルーツにしている。僻地の小さい町、全国一の津波リスク。マイナス要素こそあれ、ここでしかできないこととして缶詰事業が生まれたのだった。魚介缶詰と備蓄向けのそうざい缶、特産品の黒糖を使用した缶などを展開しており、自宅の備蓄品にさまざまなバリエーションを与えることが可能だ。

 高知といえばカツオが有名だが、かつおのツナ缶を作る会社は見つけられず、実地調査も遠すぎて実現していなかった。そこにせとっち氏の製品提供で光明が差し、高知でもツナ缶を作っている会社があると裏付けられた次第である。

 

 今回取り上げる黒潮オイルのごろっとカツオは、高知県産で一本釣りのかつおを黒潮町の天日塩とオリーブオイル・キャノーラ油で調味、たまねぎと柚子の隠し味を加えている。油のブレンドはかつおの臭み軽減を狙ったものと推測するが、グレードが高すぎやしないか……

 白缶の胴と天にシールを貼ったパッケージ。スチール缶表記は一般缶の意匠で、消費者にもわかりやすいよう7大アレルゲン不使用表記も赤色で大きく描かれている。

 販路に関して、工場直売・オンラインショップのほかに全国のアンテナショップでも取り扱いがある。2016.9製造。

 

☆缶を開けたところ



 度肝を抜かれた。

 かつお缶でこれだけ大きな身を詰めた製品に出会ったのは今回が初めてだ。急いで製品分類をソリッドに書き直した。

 黒い斑点は香辛料で、スモークのような香りがする。液汁も抜かりなく、塩こしょうと玉ねぎが効いている。オリーブオイル特有のベッタリ感もキャノーラ油で相殺できている。中に粗く切られたたまねぎが残っていて、缶を開けるその時まで出汁として機能し続けたのだ。

 身はツナ缶ブログかつお缶で最大の超特大サイズ。このために「かつお油漬(ソリッド)」という世界初の表記を生み出すことになった。大きいわりに中心までまったく臭みがないし、塩味の効いた風味が食欲を駆り立てる。柚子はチラッと自己主張する程度で果実味過多のアンバランスさは無く、製品単体の完成度を最大限アシストしている。

 合わせる料理は問わない。そのまま食べても勿論、白飯でもパンでもバッチリ合うし、液汁ごとサラダの上にかけてイタリアンドレッシングのように使うとインスタ受けしそうな魚介サラダができるだろう。

 晩酌に使うなら旨い酒だけで十分だ。これ一缶だけで、普段の宅飲みがオシャレなバルに大変身する。

 

 ミットを構えた筆者のツナ観に場外ホームランを飛ばした、高知のかつお油漬缶。

 「日本一の巨大津波の町で考えた、日本一の防災食」は、まぎれもなく日本有数の味を秘めたツナ缶でもあった。一般消費者や当ブログの読者ともぜひこの感動を共有したい……



 ツナ缶ブログはこういう希少なツナ缶が華。そう思うのは筆者だけだろうか。

 このような革命的ツナ缶を提供してくださったクロストークレディオ!!http://www.tfm.co.jp/lh/index.php?itemid=117120



☆スペック

・グレード ★★★★★★ #かつお缶最高値

・価格   ★★★★★☆ #450円/個

・味覚評価 ★★★★★★ #文句なしの当たり星

・入手性  ★☆☆☆☆☆ #本社通販、一部物産店で取扱い

・原産国  国産



☆スペック

固形量62g / 内容総量 90g

203kcal/缶 食塩相当量1.3g

原材料 カツオ、菜種油、オリーブ油、玉ねぎ、食塩、香辛料、柚子皮

JAN:4571301674352 製造固有記号カツオオイル90710827

製造者 株式会社黒潮町缶詰製作所(高知県幡多郡黒潮町入野4370番地) 製品ページ

Tuna canning review No.85
#かつお #めずらしいツナ缶 #オリーブオイル漬 #気合の入ったツナ缶レビュー #油漬

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三洋食品 たまの伝説(猫缶) ドキッ!血合いだらけの400g完食レビュー!

スレッド
三洋食品 たまの伝説(猫缶) ...
“80g缶の5倍のボリュームのお徳用サイズ。新鮮なまぐろがたっぷり。

大家族のお宅や、ペット関連の専門家の方にもおススメします。”





  三洋食品 たまの伝説 まぐろ ファミリー缶

  猫用栄養補完食・普及品



☆コメント

 【ツナ缶ブログの特殊記事である。よい子は猫缶を食べてはいけない】



 三洋食品がイエネコ向けに販売している国産猫缶「たまの伝説シリーズ」。決して人間向けではない。

 ツナ缶で喩えるならシーチキンLフレークのような国産普及品のような位置づけで、輸入猫缶の各社とくらべグレードはそれなりに高い。衛生基準や製法は人間用のツナ缶と同じであるため、猫はもちろん人間が誤飲しても健康上なんら問題はない。



 筆者が猫飼いであれば、興味本位で一口試すことができただろう。しかし、筆者は一人暮らしで、猫はいない。

 国産猫缶を見た勢いで405gを買っていたものの、勇気がなくて長らく熟成させていた。そんな中ふとしたTweetが実を結んでしまい、レビューすることになった。



 --人間でも、食べることはできるのだから。

 

 “ツナ缶ブログにあるまじき無茶な商品名ではあるが、原材料の一番最初が「まぐろ」だ。開けてすぐの実食ができるものなら、普段通りのレビューは可能だ。問題ない。”

 これが巨大なブーメランとなって自分を襲うと予想できなかったのか…



 ☆缶を開けたところ

  

 一般的な猫缶の雰囲気をかもし出している。ほぼ全てが血合いだ。液汁はまぐろ出汁が取れている。

 問題は身にの生臭さと水煮缶にない血合いの苦み。歯ごたえの強い生レバーという表現が似合うか。猫缶を食べるボディビルダーもいると言うが、私はこのまま調味料なしで完食できる気がしない。

 醤油をかけた。普段食べているツナ缶の味に近くなったが、いみともしれない血合いの味と独特の食感から、脳が矛盾を起こして警報サイレンを鳴らし続ける。

 マヨネーズをかけた。原材料だけ見ればツナマヨそのものだが、ついに筆者の笑みが崩れ始める。頭の中でグラインドゴアが流れ続ける。

 缶を見た。まだ10グラムも減っていなかった。



 そして、1時間経過。

  

 完食した。閉まらなくなった目の瞳孔は、ただ虚空を映し出していた。どうして、人生はこんなに儚いのだろう。

 一つ言えるとしたら、人類は猫缶をツナ缶と間違えてはいけない。まして、405グラムの猫缶を一人で食べようとする人類が今後現れないことを切に祈ろう。







「幸福になる方法は、自分で実験してみなければ分からない」 ──ジークムント・フロイト(1856-1939)



☆各種評価

・グレード ★★★☆☆

・価格   ★★★★☆ #218円/個

・味覚評価  【 哲学 】 #ねこからの人気は高い?

・入手性  ★★☆☆☆ #ホームセンターや一部スーパー

・原産国  国産



☆スペック

内容量 405g

440kcal/缶 【猫缶のため、食塩は含まれず】

原材料 まぐろ、ビタミンE

JAN:4953685200813 製造固有記号なし

製造者 三洋食品株式会社(静岡県焼津市焼津5-7-3) 製品ページ

Tuna canning review No.52


#哲学 #気合の入ったツナ缶レビュー

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はごろも シーチキンLフレーク(OKTロット)混入と同工場のロットを食べた

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はごろも シーチキンLフレーク... はごろも シーチキンLフレーク...



  はごろもフーズ シーチキンLフレーク

  (OKTロット) 普及品



☆コメント

 【ツナ缶ブログの特殊記事である。昨今報道のあった異物混入の解説を多く含むため、食事中や空腹の読者には注意して読んでいただきたい。また、11月1日の2012年製ツナ缶にあった羽虫混入に関しては解説していない】

 ※シーチキンLフレークの記事はこれで3つめなので、缶詰に関する真面目な詳説は古い方の記事を、

 熟成を進めたOKTロットに関する情報はクリスマスの記事を参照されたい。







 2016年10月27日、缶詰業界に大きな衝撃が起こった。

 2年弱ほど前に製造したシーチキンLフレークに、虫の異物が混入していたことが明らかになった。メーカーは10月13日に個別対応のみ行ったが、27日にメディアの報道で背中を刺された構図である。当日中にプレスリリースを上げたものの、初動対応の遅さを指摘する声も少なくない。

 この異物混入が起こった「当該工場」こそ興津食品(OKTロット)であり、29日には既に操業停止と保健所の立ち入りを余儀なくされている。また、2014年にも2012.9月製造のシーチキンLフレークに虫の異物が混入してして個別対応を行っていたことが明らかになったほか、11月2日時点で操業停止が続いてる・はごろもから28日以降の公式回答がない等、混乱が収まる様子は見られない。

 

 最初の虫混入の経緯を要約すると「本来空缶は製造の直前までシュリンクされている。しかし、シュリンクはがす→ラインに乗せる間に昼休みを挟んだ。その際空缶に虫が入り込んで、そのまままぐろや油を詰めて巻き締めてしまった」というものである。

 缶切りなしで開けられるイージーオープン缶は、強度確保や巻き締め不良を防ぐため開け口のほうを底にして詰めたり巻き締めるケースが多く、中身を詰めたあとの目視確認は難しい。また、虫は動物性タンパク質そのものであるため、異物混入の発見に役立つX線検査装置も無力だったと考えられる。

 今回の混入では「NHK甲府が報道した写真には、虫が腹を向けた向きで写っていた(=空缶の時点では生きているときの姿である背中を向けている)」という点からも、虫が身の下敷きになったという線が非常に濃厚である。

(EO缶でも巻き締め口が上になるものとして、片方にしか缶蓋がない製品が挙げられる。今回のシーチキンLフレークは上下ともに缶蓋があり、トップ写真1枚目の栄養成分書いてある方の缶蓋を巻き締めている。誤りがあると知ってそうな現場の方はメール等で一報願いたい)



 したがって、まぐろを裁断する機械や、油を注ぐ機械、それらのライン工程で虫が混入したわけではないため、「虫のエキスが入ったツナ缶は他に作られていない」と考えている。

 

 そのような中、報道を受けて売り場から該当ロットを引き上げるスーパーが増え、G2ロット等のみが残っているケースや、そもそもシーチキンLフレークやはごろも煮までも引き上げたスーパーさえみられた。

 筆者は「まだ自主回収の公式発表はないし、情報伝達の遅い特定スーパーなら在庫をまだ引き上げていないのではないか」と予想を立て、静岡駅から40キロほどのツナ缶買い付けに出た。空振りを懸念して、ガソリン代のかからない自転車で。

 

 目論見は当たっていた。市中のスーパーからは消滅していたが、普段から買い付けに重宝してた辺境のスーパーやお土産店には在庫が残っていた。



 ☆缶を開けたところ

  

 当たり前だが、異物は入っていない。

 全体的な味覚は普段のシーチキンLと変わらず、2年前にレビューしたG2ロットのものとまったく変わらない。

 しかし、まだ一ヶ月程度のツナ缶だ。まだ熟成は進んでおらず、やや身が固く荒々しい傾向にある。特に問題は感じられない。

 

 Web上の世論はシーチキンにも興津食品にも否定的・感情的なものが多数で、特に興津食品への風当たりは絶望的なものになっている……だが、上記の経緯からして「発生確率は減らせるが、現実的にゼロにはできない事故」と筆者は強く考えている。

 興津食品は再発防止の徹底と謝罪文のリリース程度は行うべきで、はごろもはOEM先としての自覚を持つほか抜き打ち検査等の充実も図って欲しい。逆に言えばそれ以上の結末は求めていない。

 

 全ての国産ツナ缶と缶詰会社を愛する筆者として、ツナ缶の多様性を損なうようなバッドエンドにはならないでほしい……と願う。



☆各種評価

・グレード ★★★☆☆

・価格   ★★★☆☆ #168円/個

・味覚評価 ★★★★☆

・入手性  ☆☆☆☆☆ #市場から消えてしまった?

・原産国  国産



☆スペック

内容量 70g

206kcal/缶 食塩相当量0.6g

原材料 きはだまぐろ、大豆油、食塩、野菜エキス、調味料(アミノ酸等)

JAN:4902560012409 製造固有記号OKT 賞味期限2019.9.17

販売者 はごろもフーズ株式会社(静岡県静岡市清水区島崎町151) 製品ページ

Tuna canning review No.51



 ☆参考資料

・ダイヤモンドオンライン「シーチキンの炎上、「公表しない」宣言が運命を分けた」

http://diamond.jp/articles/-/106719
#きはだまぐろ #はごろもフーズ #めずらしいツナ缶 #気合の入ったツナ缶レビュー #油漬

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モンマルシェ オーシャンプリンセス 鮪とろを自腹で買って食べたレビュー

スレッド
モンマルシェ オーシャンプリン...
“日本で水揚げされた一本釣り夏びん長マグロ。マグロ一尾の約1%の希少部位のトロを使用。

  1尾で1缶しか製造できない、とても貴重なツナ缶。”





  モンマルシェ オーシャンプリンセス 鮪とろ

  びんながまぐろオリーブオイル漬けスライス・最高級品





(2018.12追記:

もっと高い5400円ツナ缶がモンマルシェから出ました。「モンマルシェ オーシャンプリンセス 鮪とろ【ブラックレーベル】」 。

https://jp.bloguru.com/zumix/336936/5

こちらもあわせてお読みください)

☆コメント

 高いツナ缶を作り続けているモンマルシェが、ついにびんながまぐろのとろ肉缶をリリースした。濃い緑色と箔押しのついた立体的なパッケージの質感が、同社の新たな最高級製品であることを強くアピールしている。

 つい先日(2016年10月初め頃)発売したばかりだが、製造は2016.6.14となっていた。きちんと3ヶ月寝かせてある。



 同社きはだまぐろとろ肉のオリーブオイル漬は500円台だったが、びんながまぐろに至っては価格が4ケタになってしまった。これ1缶で興津食品のびんなが油漬が1ケース買える。1尾から1缶しか作れない点が響いていそう。

 1缶250円以上の高級ツナ缶は、この数年間で製品数が大きく増えた。その象徴とも言える製品ではあるが、果たしてフラッグシップと呼べるだけの価値はあるのだろうか…



☆缶を開けたところ

  

 香り付けのために入っているローレルの葉が目立つ。食べられないので、食べる前に取り除いておこう。葉っぱごと加熱してあるので、取り除いても香味は残る。



  

 身の厚みはシーチキンとろより若干分厚い程度。食感はとろ肉として少し固め。オリーブオイルで油にえぐみがない。そして、缶の底に巨大なとろ肉の塊が入っている。

 とろ肉のツナ缶として、十分な味わいがあることは確かだ。少なくともシーチキンとろの上位互換にはなっている。パッケージも香味もきちんと高級感の演出になっている。



 しかし、自問自答してしまう点がある。「果たして1,080円の価値はあるのか?」 

 求道者として手を出したもののの、味を考えるとご祝儀価格という雰囲気は否めない……しかし杞憂だ、この製品はトータルデザインを以てして真価を見極めることができるのだと痛感する。

 価格、パッケージデザイン、ローレルの香味、まぐろ1尾1缶しか製造できないほど貴重な部位のソリッドとスライス、開けて食べたという行為そのもののステイタス、その辺も考慮すべき要素。

 

 ツナ缶の極端な高級化路線に対して、一石を投じるだけの製品になっている。結婚式当夜の父親に気分に浸れるので、ぜひ一度試していただきたい。

  MVアグスタ、サーベロ、スカニアなどの単語を言われて、連想したものから興奮を隠せないような諸氏には強烈におすすめできる。

☆各種評価

・グレード  【 や ば い 】

・価格   【ありえない】 #1,080円/個

・味覚評価 ★★★★☆ #トータルデザインで語る製品

・入手性  ★★☆☆☆ #公式通販、静岡駅パルシェの直営店など

・原産国  国産



☆スペック

内容量 90g

---kcal/缶 食塩相当量-g

原材料 びん長まぐろ、オリーブ油、食塩、ローレルの葉

JAN:なし 製造固有記号AC0Y M07

販売者 モンマルシェ株式会社(静岡県静岡市清水区本町1-7) 製品ページ

Tuna canning review No.48


#びんながまぐろ #めずらしいツナ缶 #オリーブオイル漬 #スライス #モンマルシェ #気合の入ったツナ缶レビュー #缶つま

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