以前に 「実のってきています」(16) で紹介した【カリン】、久し振りに見てみますと、熟したいい色合いの実がたくさんできていました。 葉もすっかり枯れ落ち、【カリン】の実がよく見えているのですが、大家さんも住人さんも興味がないのか、そのまま残っています。 呑んべいとしては、「カリン酒」などの利用が出来るのにと考えるのですが、このまま朽ちてゆくとしたなら、もったいない気がしてなりません。
アフリカ南東部が原産で、ケープ地方に自生する原種を元に園芸品種が多く作りだされています。 気温などの温度条件があえば、ほとんどの種が通年花を咲かせる多年草です。 イワタバコ科ストレプトカーパス(ウシノシタ)属に分類され、原産地名から「ケーププリムローズ」、また葉の形から「牛の舌」との別名があります。 種によって、茎のほとんどが伸びない無茎種(ストレプトカルプス亜属)と茎を長く伸ばす有茎種(ストレプトカルペラ属)のふたつのタイプに分けられます。 名称はギリシア語の「ストレプトス(ねじれた)」と「カルポス(果実)」の合成語で、熟した実が細長くらせん状になることに由来しています。
わかりやすく胡蝶蘭と書きましたが、正確にはラン科ですが、「ドリティス属」と「ファレノプシス属(胡蝶蘭)」との交配種「ドリテノプシス属」と言う園芸品種に当たります。 千葉県旭市にあります<椎名洋ラン園>の作出で、2009(平成21)年3月に種苗法にもとづく品種として、第18136号に認定されています。 10年に一度オランダで開催されます「フェンロー国際園芸博覧会2012」で、金賞を受賞した卓上サイズの胡蝶蘭です。 花幅3センチばかりで、一般的な胡蝶蘭に比べて小さいのですが、上品でかわいらしく、また全体的に3~40センチほどの丈ですので、場所を選ばず飾れるところが人気のようです。
12月もわずかの日を残すのみになりましたが、赤色の花を見つけました。 花弁の形や色合い、花の付き方や葉の形状等、間違いなく【ハコネウツギ(箱根空木)】と同定したのですが、本来は初夏に咲く花ですので二度咲きなのかもしれません。 スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木です。 5~6月頃に枝先、あるいは葉脇に散房花序をだし、白色から桃色、そして赤色と変化する花を数輪咲かせます。 花冠は漏斗状鐘型で先は5裂に裂け、花筒は蕚より先で急に広がり、釣鐘形をしています。 1本の株の中に白色と赤色の花が存在しまスので、白旗の源氏、赤旗の平家にたとえて、「ゲンペイウツギ(源平空木)」や、花色の赤色から「ベニウツギ(紅空木)」とも呼ばれています。
「ヒイラギ(柊)」と名が付いていますが、モクセイ科モクセイ属の一般的な 「ヒイラギ」 ではなく、本種はモチノキ科に分類され、日本にはモチノキ属のみがあり、23種が属しています。 園芸業界では、一般の「ヒイラギ」に比べて葉が小さいので別名「ヒメヒイラギ(姫柊)」とも呼ばれ、奄美諸島に原産する日本固有種です。 クリマスマ飾りに使用される 「セイヨウヒイラギ(西洋柊)」 はモチノキ属であり、また映画の都として有名なハリウッドは、「Holly wood」で、「セイヨウヒイラギの森」を意味しています。 葉の形はモクセイ属の「ヒイラギ」に似ていますが、こちらは葉が<対生>しており、本種のモチノキ属の葉は、<互生>していますので、属の見分けはすぐにつきます。
「ゼラニューム」の原産地は南アフリカですが、フウロウソウ科テンジクアオイ属の多年草として様々な種類があり、多くの名称はその香りや葉の形、色から名付けられています。 この【レモンゼラニューム】は、その名の通り葉を触ってみますとレモンの香りが漂います。 「ローズゼラニューム」 の葉よりも硬くて、縮れている葉は直立し、花は「ゼラニューム」の」中では大きい部類に入ります。 花はあまり香りが無いか、または厭な匂いを発し、桃色の花弁は5枚、そのうち上側の2枚は少し幅広で下側の3枚は細長い形状をしています。
住宅街の路地裏の排水溝に、 【アジアンタム】 が生い茂っているのを見つけました。 ワラビ科ホウライシダ属のシダ植物ですので、近くに鉢植えでもあれば胞子が飛散して根付いたのかなと考えられるのですが、風に乗って辿り着いたのかもしれません。 世界の熱帯から亜熱帯にかけて分布しており、日本にも「ホウライシダ」や「クジャクシダ」など8種が自生しています。 その中でも一般的に【アジアンタム】といえば、「アジアンタム・ラディアヌム」を指し、その園芸品種が観葉植物として多く流通しています。
地植えされた【エレモフィラ・ニベア】を見て、一年ほど前に訪れた 立ち呑み処「たそがれ」 さんを思い出してしまいました。 お店のカウンターの隅に置かれていた 鉢物 が、この【エレモフイラ・ニベア】でした。 女将さんも明るく、いい雰囲気のお店でしたので、このまま通えば春先から初夏にかけて咲きだす透明感のある青紫色の花が楽しめるかなと考えていましたら、お店は突然に閉店、この夏には 海鮮炭火焼「磯家」 として方向転換されての再出発でした。 「磯家」にはご無沙汰しておりますが、ひょんなことで目についた【エレモフィラ・ニベア】のように、枝ぶり良く営業されていればいいなと、白銀の葉を眺めておりました。
アルミフェンスから花茎をのばし、赤色と白色のツートンカラーの花を咲かせています<サルビア・ミクリフィラ>で、品種名は【ホット・リップス】です。 シソ科アキギリ属の半常緑低木で、アメリカ南部・メキシコが原産地、5~11月頃と開花時期が長く楽しめます。 木本種の花色は鮮やかな赤色で良く目立ち園芸品種としては、マゼンダ・紅色など赤系統が多いのですが、白色・桃色もあります。 写真の【ホット・リップス】は、暑い夏場の時期には赤色一色ですが、気温が低くなると白い面積が増し、かわいらしいツートンカラーで目を楽しませてくれます。
花色は淡紅紫色をしていますが、蕾は緑色をしており、房状集散花序的に群がって付く形状は「ブロッコリー」を連想させます。 ベンケイソウ科ベンケイ属で中国原産、冬の間は枯れる宿根草です。 日本には解熱・解毒の薬草として古に渡来していますが、栽培していたモノが野草化し、帰化植物として定着しました。 葉は楕円形、茎の下部の葉は葉柄があり、淡緑色で葉の縁には鈍い鋸歯になっています。 茎葉が多肉質で、切って捨ててもかれないということから、古くは<伊岐久佐(いきくさ)>と呼ばれていましたが、その後、武蔵坊弁慶の強さにあやかり「ベンケイソウ」と名がつけられています。