透明な翅を持つ 「クマゼミ」 とは正反対に、【アブラゼミ(油蝉)】は、前翅・後翅とも不透明な褐色の色をした翅を持つ、世界的に見ても珍しい特徴を持つ蝉です。
カメムシ目(半翅目)セミ科アブラムシ属に分類される、大型の蝉です。
鳴き声が、油を鍋で熱すると「ジリジリ」という沸騰音に似ているところから、【油蝉】と名付けられました。
「ジ~、ジジジ・・・」と鳴き出しますが、お昼を過ぎても元気良く鳴いており、熱帯夜などには「夜鳴き」もする、忙しい蝉さんです。
頭部は胸部よりも幅が狭く、上から見ると頭部は丸っこい感じで、体は黒褐色、頭部の下の前胸部の背中には大きな褐色の斑点が2個並んでいます。
抜け殻は「クマゼミ」とよく似ています(「クマゼミ」の抜け殻には、腹部にポツンとでべそ見たいな突起があります)が、全体に艶があり、抜け殻に泥が付かないのが特徴です。
好む土中の湿度が蝉によって違うようですが、約6年間の幼虫生活は、生まれ出た外部環境の変化もあり、蝉にとっても短い命の中で対応するのも、難しかろうなと感じています。
今日金曜日、こちらでは「生ゴミ」収集日の日に当たります。
「生ゴミ」で満足に朝ご飯を確保できたのでしょうか、のんびりと一羽の<カラス(烏)>が、電波塔の避雷針のてっぺんにとまっていました。
足の置き場としては居心地がよくないと思うのですが、360度眺められる展望がお気に入りなのかもしれません。
古来<カラス>は吉兆を表す鳥で、神武天皇の東征の際には、三本足の「八咫烏(やたがらす)」が松明をかかげたという神話があり、また日本サッカー協会のシンボルマークも「八咫烏」が使われいます。
古代エジプトでは「太陽の鳥」、ギリシャ神話では太陽神アポロンに使えていた鳥です。
炎天下の真っ青な空の下、<カラス>を見上げていますと、はるか昔にあがめられていたDNAが甦っているのか、悠々とした雰囲気が太陽とよくお似合いです。
「オシロイバナ」の絞り模様を採集しようとしていましたら、【イチモンジセセリ】と遭遇しました。
チョウ目(鱗翅目)セセリチョウ科セセリチョウ属に分類される、「蝶」の一種です。
前翅長は約20ミリ、翅の表側は暗褐色で裏側は黄褐色の色合いです。
後翅の裏側には4個の銀紋が縦一列に並んでいるところから、<イチモンジ(一文字)>の和名がつけられています。
他のセセリチョウと同様に、「蝶」にしては胴体が太く、翅の色合いも地味ですので、「蛾」に間違われてしまいます。
この時期から秋にかけてよく飛び回りますので、見かける機会が多くなりそうです。
武者小路実篤の有名な言葉に、<仲良きことは美しきかな>がありますが、そんな光景に出合いました。
花壇に植え込まれた「百日草」の花に、仲良く二匹の【ヤマトシジミ】が、並んで蜜を吸っていました。
「暑いでんなぁ~」
「ほんまに、かないませんわ。暑い中飛び回るのも、疲れまんなぁ」
「この花の蜜、甘すぎて喉がかわきまんなぁ」
「ほな、次は水場にでもいきますかねぇ」
暑い日差しの中ヒラヒラと舞っては、また不思議と同じ花にとまります。
よほど気に入った相手なのかなと、蜜を吸っている【ヤマトシジミ】たちを、微笑ましく眺めておりました。
比較的地面の近くを飛んでいる【ベニシジミ(紅小灰蝶):夏型】です。
吸い蜜行為や葉の上での休憩も、他の蝶に比べて長く止まりますので、根気よく待てば、なんとかシャッターチャンスに巡り合えます。
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ベニシジミ属の蝶で、成虫の前翅長は1.5センチほどと小さな蝶ですが、翅の色合いと模様の美しさが詰まっています。
春の4~6月頃に発生する成虫 (春型) は、翅の赤橙色の部分が鮮やかな色合いですが、夏に発生する成虫(夏型)は、翅の表側が全体に黒褐色になり、帯として入る赤橙色の部分も、落ち付いた橙色です。
秋になりますと、どちらの色合いの成虫も見れますので、夏の暑い気温や、食草としている植物との関連がありそうです。
朝方から昼頃まで、賑やかな合唱の主人公【クマゼミ(熊蝉)】です。
なんとなく「セミ科」だろうとは思いつく人が多いと思いますが、あの匂いで嫌われ者の「カメムシ」と同じ「カメムシ目」だとは、昆虫好きでないと分からないとおもいます。
分類上は、カメムシ目(半翅目)ヨコバイ亜目セミ科セミ亜科クマゼミ属になります。
日本産の蝉の中では、「ヤエヤマクマゼミ」に次ぐ大型の蝉で、体長60~70ミリに達します。
「アブラゼミ」や「ミンミンゼミ」に比べて、頭部の幅が広いのが特徴で、翅は透明で背中側は黒色、腹部に白い横斑が二つ見られます。
羽化から数日の間は、写真のように背中側が金色の毛で覆われています。
神戸市や阪神間では「アブラゼミ」が増加の傾向にあるとの報告が出ていましたが、まだまだ【クマゼミ】の元気な鳴き声が主流のようです。
多くのバッタ類は、環境に合わせて<擬態>した体色を見せてくれます。
土の上にいますと目につかない 「イボバッタ」 を代表に、この【ショウリョウバッタ(精霊蝗虫)】も、多くは周囲の環境に合わせて <緑色> が多いのですが、「茶色」の【ショウリョウバッタ】を枯葉の上で見つけました。
さすが擬態色で、枯葉に交じり分かりづらい色合いをしています。
バッタ目バッタ科ショウリョウバッタ属に分類されていますが、日本に分布するバッタの中では最大種(メス)で、斜め上に尖った頭部が特徴的です。
成虫の(オス)は体長が5センチ前後ですが、(メス)の成虫は8~9センチと大きく、写真の【ショウリョウバッタ】は(メス)のようです。
「オンブバッタ」も雌雄の体長が大きく違いますが、こちらは翅がありますが飛ぶことはできないため、(オス)は大きな(メス)の上に乗って移動するという、手抜き行為が面白いです。
山道の階段の手すりに、【ゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切)】を見つけました。
木の幹を模倣した親柱の上で、うろうろとせわしなく動いておりました。
甲虫目(鞘翅目)カミキリムシ科ゴマダラカミキリ属の昆虫で、ミカンやクリ、イチョウやプラタナスなど、果樹の木や街路樹等いろんな木を食べますので、都会でもよく見かけ馴染みのある種類だと思います。
体長は4センチ弱ですが、触角が体長の1.5倍はある長さを持ち、全身の黒さと相まって貫禄ある姿を見せてくれます。
前翅には光沢のある黒色に白い斑点が並んでよく目立ち、和名の由来そのものです。
長い触覚の各節の根本にも青白い毛がありますので、黒と青の縞模様の触角も、面白い形態だと思います。
手に持ちますと、「ギィ~ギィ~」と威嚇する声を出すのですが、鳴くことなく手の上で遊んでおりました。
体色が灰褐色と土色をしていますので、地面の上などにいますと、分かりにくい【イボバッタ(疣飛蝗)】です。
近くを通りますと、ぴょこんと飛び跳ねて移動しますので、なんだいたのかと驚かされます。
バッタ目バッタ科トノサマバッタ亜科に分類されており、日本産のトノサマバッタ類としては体長がオスで25ミリほどですので、最小の部類に入ります。
人の気配ですぐに飛んで逃げるのですが、夏バテでしょうか、じっとしてくれていて、大きくアップで撮影できました。
ぜひ、写真をクリックして「眼」を見ていただきたいと思います。
体色だけでなく「目玉」までも土色をしていますので、目立ちません。
多くの昆虫の捕食者はひと目見た瞬間、「眼」をパターン認識して獲物を見つけると考えられており、「眼」の場所が判りにくいということは、それだけ捕食者を惑わし有効に働きます。
頭部の後ろ側、前胸背面にイボ状の突起があるために「イボバッタ」との和名が付けられていますが、このイボもまた、飛び出した「眼」だと誤魔化すための擬態だと見ています。
山道を歩きながら足を下ろそうとしたとき、足元で【トラフムシヒキ】が交尾中でした。
思わず足を避けましたが、なんとか踏むことなく、やり過ごせました。
ハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科ムシヒキアブ亜目の昆虫です。
記録写真をと近寄りますと、何と上側の【トラフムシヒキ】は、捕獲した「黒アリ」を口にくわえたままです。
オス・メスの形状の特徴的な性差は少なく、わたしには区別が出来ませんが、餌を放さないで交尾をしているのは、オス・メス、どちらなのか興味があるところです。
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