蜂と言えば、腰のくびれた姿を思い浮かべてしまいますが、この【ジガバチ(似我蜂)】は、爪楊枝の棒のような細長い胴体を持っています。
細長い胴体といえば、 「ヒメコンボウヤセバチ」 なども思い出しますが、どちらも「狩りバチ」の仲間です。
ハチ目(膜翅目)ジガバチ科ジガバチ属の昆虫で、<捕食寄生者>と呼ばれる類の寄生動物です。
黒地の体色で、腹部の上側が赤くなる特徴を持った、蜂です。
地面を這いまわり、少し飛んで移動しては、獲物(蛾の幼虫)の糞などを目印に相手を見つけ、長い体長(45ミリ前後)を有効に使い、抱え込むようにして、地面に開けた巣穴まで運んでいきます。蛾の幼虫に産卵して、これが孵化したあとの餌として利用されます。
刺されることは無いと思いますが、結構大きな羽音を立て動き回りますので、気合いを入れて近付きなんとか画面に収めることができました。
色とりどりに色付く 「観賞用トウガラシ」 の花に、【ヤマトシジミ(大和小灰蝶)】が、止まりました。
一瞬、「辛いのになぁ~」と驚いたのですが、実が辛いとしても、蜜までは辛くはないはずです。
ナス科らしい小さな紫色の花ですが、【ヤマトシジミ】の中にもひっとして、わたしのような辛党がいるのかなと、眺めておりました。
蜂には腰のくびれたタイプと、腰のくびれていないタイプがありますが、【ルリチュウレンジ(瑠璃鐫花娘子蜂)】は腰がくびれていません。
腰のくびれていないタイプは、一般的に団体での社会生活を営むことはなく、葉に卵を産み、幼虫は自力で成虫に羽化します。
ハチ目(膜翅目)ミフシハバチ科ミフシハバチ亜科の昆虫で、日本には約20種が生息しています。
体長9ミリ前後、体全体は黒い紺色で光沢があり、翅は黒色半透明です。
触角は3節で、3節目が非常に長いところから「ミフシハバチ」の名が付けられました。
憶測ですが和名の名称には「鐫(のみ)」の字があてがわれていますが、この幅広い触角を「鐫の刃」にたとえたのかなと見ています。
葉の組織内に卵を産みつけますすので、目で観察することはできません。
幼虫は、ツツジやサツキの葉を食草としており、かなりの被害をもたらす害虫です。
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「蛾」は、翅を開いた状態で止まりますので、表側の翅の模様が直接楽しめますが、「蝶」は翅を閉じ立てて止まりますので、なかなか翅の表の紋様を眺める機会は少ないです。
この時期盛んに活動している「イチモンジセセリ」ですが、ようやくオシロイバナの葉の上で、翅をひろげている姿が撮影できました。
割と長時間止まっていましたので、写真を撮ったあとしばらく観察していたのですが、目から鱗の出来事が起こりました。
いままで気にもしなかったのですが、【イチモンジセセリ】が首を動かして私の方を、ジロリと振り向いたのです。
蝶の首が回るものとは・・・、「エッ!」と目を見張る驚きの一瞬でした。
イソップ寓話の『アリとキリギリス』では、分の悪い【ニシキリギリス】ですが、<ギィ~~チョン>という鳴き声は、それなりに情緒を感じさせてくれます。
バッタ目キリギリス科キリギリス属の昆虫のうち、日本の本州~九州に分布しています。
蝶の 「キタキチョウ」 と同様に、遺伝子分析の成果で1997年以降は「ヒガシキリギリス」(青森県~岡山県)と【ニシキリギリス】(近畿地方~九州地方)に名称が使い分けられています。
よく似たキリギリス科の仲間に 「ヤブキリ」 がいますが、後翅の付け根から第一関節までの<腿節>の長さが、前翅よりも長いのが【ニシキリギリス】です。
また、写真の【ニシキリギリス】はメスですので、産卵管の形状でも見分けることができます。
写真をクリックしますと画面が大きくなりますので、触角の長いことや、前脚の2対には長い棘が生えているのを確認してみてください。
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全身が黒い点々でおおわれた、【ツチイナゴ(土蝗)】の幼虫です。
バッタ目イナゴ科ツチイナゴ属のバッタで、成虫は土色の茶褐色色をしており、背中に白い筋が入ります。別名、「セスジツチイナゴ」と呼ばれる所以です。
【ツチイナゴ】は、他のバッタと異なり10月頃に成虫なる、珍しい生態を持っています。成虫のまま枯れ草の下などに隠れて越冬します。
翌年の5月頃に産卵し、7月頃に短い生涯を閉じます。
幼虫ですので翅も生えていませんが、複眼の下にある青黒色の涙のように見える模様と、全身に生えている細かい毛は成虫になっても変らず、【ツチイナゴ】の特徴です。
幼虫の間は葉の緑色に合わせた緑色で、成虫期の秋には枯れ草の色に合わせて茶褐色になる保護色の手際の良さには、驚くばかりです。
山道に、通称「ドングリ」と言われている「コナラ」の実が落ちていました。
強風で枝先も折れることもあるでしょうが、この時期に緑色の実を付けたうちに葉が付いた状態で落ちているのは、【ハイイロチョッキリ】の仕業です。
甲虫目チョッキリゾウムシ科の昆虫で、体長は9ミリ程度、銅色に淡黄色の微毛が全体に生えています。
全体の形は 「クヌギシギゾウウムシ」 だと思っていただければ間違いがありません。
ゾウムシ特有の長いくちばしで実に穴を開け、卵を産み落とし、そのあとその実の付いた枝先を切り落とします。
独楽やヤジロベエを作ろうと持ち帰りますと、突然幼虫が出てくるかも知れませんので、この時期の葉の付いた実は、見過ごすのが得策だと思います。
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草丈が1メートル近くになる「アキノエノコログサ」(イネ科)の葉に、【クモヘリカメムシ】を見つけました。
カメムシ目(半翅目)ホソヘリカメムシ科の昆虫です。
稲を代表に、イネ科の植物に取り付き、茎などから汁を吸う害虫です。
アメンボのような細長い体を持ち、体長は15~20ミリ前後でしょうか、淡い緑色で背中が茶色っぽい体色を持ちます。
触覚も交互に二色の色合いを見せ、頭部と胸部の境目に黒い斑点が2個あり、外敵から身を守る「眼」の<擬態模様>だと見ています。
街中で見かけた 「ブーゲンビリア」 の花を撮影していますと、「セセリチョウ」が飛来してきました。
どの種類の「セセリチョウ」かなと楽しみに、動かないでじっと構えて待ちますと、後翅に銀紋が縦に4個並ぶ【イチモンジセセリ】でした。
【ブーゲンビリア】の花は、匂いがありませんので、やはり紫外線等別の感覚で吸い蜜の対象を探せる能力があるんだと思います。
今年は【イチモンジセセリ】とよく遭遇する感じですが、吸い蜜行動の「花」の種類が違いますと、また全体の趣きも異なり、生態の資料にもなりますので飽きることなく記録しています。
近くの小川が生息地でしょうか、山道で【シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)】が休憩中でした。
多くの昆虫を取り上げてきていますが、「トンボ」だけは今までになく、個人的に嬉しい一枚になりました。
トンボ目(蜻蛉目)トンボ科シオカラトンボ属に分類され、日本でもよく知られたトンボのひとつです。世界中には60種以上分布しているようですが、日本では9種が確認されています。
オスは老熟するにつれて体全体が黒色になり、胸部から腹部前部にかけて灰白色の粉で覆われ、この粉を塩に見立てて和名が付けられています。
メスや若いオスの体色は黄色に黒い斑点が散在し、「ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉)」とも呼ばれていますが、複眼の色合いがメスは緑色に対して、オスは青色です。
雌雄で体長の差はあまりありませんが、複眼の色で区別が付きやすく、写真のトンボは青色ですのでオスです。
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