訪れてくれる昆虫さん、いつもは部屋の外側の網戸にとまるのですが、どこから紛れ込んだのか、部屋の内側にとまっていました。
チョウ目(鱗翅目)シャクガ科ナミシャク亜科の蛾です。
体長8~9ミリの小さな大きさですが、網戸の目を数えれば、寸法が分かるのは本当に便利です。
この【ソトシロオビナミシャク】は、個体変異差が大きく、紋様に関しては色々とあります。
特徴としては、口先の<バルビ(下唇髭)>が長く、前翅中央部に1対の黒い紋がありますので、同定はしやすい蛾です。
食草としては、ツツジやヒサカキが好きなようで、ツツジの季節の5~6月、ヒサカキの果実が実る11~12月の年2回成虫が出現します。
写真を撮り終えたと、網戸を開けてやりますと、すぐに大空に飛び出していきました。
網戸にとまりかけたのですが、フラフラと消えてしまいました。
念の為にとベランダに出ましたら、運よく窓横の壁にとまっていてくれました【マイマイガ(舞舞蛾)】です。
チョウ目(鱗翅目)ドクガ科マイマイガ属の昆虫で、<世界の侵略的外来種ワースト100>の選定種です。
【マイマイガ】は性的二形が顕著に違い、写真はオスで茶褐色ですが、メスは白色をしています。
櫛型の触角が特徴的で、ドクガ科に分類されていますが、成虫には毒がありません。
オスは活動的で、日中は木々の間を精力的に飛び回りますので、【マイマイガ(舞舞蛾)】という和名が付けられています。
メスは、オスと対照的に樹の幹などにとまってじっとしており、飛び回ることはありません。
幼虫は典型的なケムシで、ほぼすべての針葉樹や広葉樹、草までを食べつくす広食性です。
ケムシのときには背面に目立つ二列の点が並ぶ形状で、糸をはいて木からぶら下がっていますので、「ブランコケムシ」とも呼ばれています。
風に吹かれてかなり広範囲に移動しますので、木々に与える被害が拡大してしまう困りモノです。
「モンシロチョウ(紋白蝶)」 と並んで良く知られた【モンキチョウ(紋黄蝶)】ですが、なかなか飛翔が早く、写真を撮るのが難しい蝶です。
運良くガーベラの花の上で、口吻を伸ばして吸い蜜をしている場面に出会いました。
チョウ目(鱗翅目)シロチョウ科モンキチョウ属の昆虫ですが、同じシロチョウ科の「モンシロチョウ」は、翅の裏側に<黒い斑紋>が目立ちますが、【モンキチョウ】は後翅裏側に丸い<銀色の斑紋>があります。
雄の翅の地色は黄色ですが、雌には黄色と白色があり、写真の【モンキチョウ】は、雌の色合いです。
幼虫の食草としては、「アカツメグサ」や「シロツメグサ」などのマメ科の植物を好み、寒冷地でも年2回、温暖地ではそれ以上に成虫が発生する、元気な蝶さんです。
多くの昆虫は、<卵 → 幼虫 → 蛹 → 成虫>と、完全変態をします。
体長4センチぐらいでしょうか、葉の上で<蛹>を見つけました。
特徴ある形ですので、分かる人にはすぐに判断できるのでしょうが、さすがにこの分野までは分かりません。
昔のファルコン少年なら家に持ち帰り、カゴの中での観察となりましたが、今の時代は個体数が少ないでしょうから、一匹でも自然界には貴重な存在です。
写真に記録できただけでも良しとして、時間が出来たときに、どの<蛹>なのかの同定作業を進めいと考えています。
今年は、痛々しい触覚の折れた昆虫と良く出会うようです。
手にとまった 「ヨコヅナサシガメ」 もかわいそうでしたが、この【クビワウスグロホソバ】も、左側の触角がありません。
自然の世界での生活環境、厳しさを感じてしまいます。
チョウ目(鱗翅目)ヒトリガ科コケガ亜科の昆虫です。
名称通り、頭部と胸部の間に黄橙色の模様があるので、<クビワ>と付けられ、翅の色合いが<ウスグロ>で、また翅が細い葉に似ているので<ホソバ>でしょうか。
熱いアスファルトの上で休憩中のようでしたが、触角が片方だけでは、方向性があやふやなのかもしれません。
人家の周辺で、どこにでも見かけるアゲハとして【ナミアゲハ(並揚羽)】がいます。
チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科に、分類されてる蝶です。
この時期、ミカン系の葉にまとわりつくように飛んでいるのは、間違いなく「メス」の蝶で、産卵のためにせわしく翅を動かしながら、ひとつひとつの卵を葉に産み付けています。
写真右下の葉の上と、その左上に黄白色の卵が、一粒づつあるのが分かるでしょうか。
産卵後間もないものは黄白色で、その後黄色味を増し、孵化が近づきますと幼虫の姿が透けて見えるために黒っぽくなります。
ただし、真っ黒くなった卵は、アゲハタマゴバチなどに寄生されている可能性もあります。
4令幼虫までは、鳥の糞のように黒褐色で擬態していますが、5令幼虫になりますと、一転して緑色に変身します。
一度にたくさんの卵を産み付けることだと思いますが、天敵に捕獲されることなく、無事に成虫になってほしいものです。
「ヒペリカム・カリシナム」 の雄しべに、【フタホシヒラタアブ】が、ホバリング中でした。
体長10ミリ程の小さな昆虫ですが、それゆえ空中で停止する姿は、感動モノです。
ハエ目(双翅目)ハエ亜科(短角亜科)ハナアブ科の昆虫ですが、ヒラタアブの仲間は、みなこのホバリングが得意のようです。
普通昆虫は4枚の翅を持ちますが、このハエ目(双翅目)は2枚しかありません。
その分、翅を動かす機能が優れているんだと思います。
ホバリングが特異な昆虫では「トンボ」がいますが、だいたい30回/秒、ミツバチが200回/秒ですが、アブはなんと300回/秒という高速で翅を振るわせています。
手持ちのコンパクトデジカメでは、シャッタースピードが追いつけなく、きれいな翅の状況が写し込めませんが、ホバリング中だと分かる一枚になりました。
大きな羽音をがしますので、目を向けますと【ウシアブ】が、網戸にとまりました。
ハエ目(双翅目)ハエ亜科アブ科の昆虫で、体長18ミリです。
「ヤマトアブ」に似ていますが、なんといっても<複眼>が緑色ですので、分かりやすいアブです。
腹部は黒色で、淡黄色の三角斑が並び、触角の基部は赤色です。
成虫はクヌギ等の樹液や、牛・馬などの家畜の血を吸いますし、人間にもまとわりついて血を吸おうとします。
毒はありませんが、刺されますと、痛みを感じます。
宮崎駿のアニメ映画『風の谷のナウシカ』(1984年)には、この【ウシアブ】と同じ名前の「ウシアブ」が出てきました。
映画の中の「ウシアブ」は、確か脚が4対で、目の数もたくさんあったようですが、この昆虫がモデルだと思います。
黒くて大きい 「ヨコヅナサシガメ」 が手にとまり、そういえば「アカサシガメ」を見かけないなと思っていましたら、葉の上で見つけました。
<2回目> の登場ですが、元気な姿に感動して再登場です。
【アカサシガメ】は、カメムシ目(半翅目)サシガメ科サシガメ亜科の昆虫です。
カメムシ目(半翅目)は、世界に134科82000種があり、日本には800種以上が生息しています。
サシガメ科は、世界に23亜科930属6800種が分類されています。
名称通り「サシガメ」は昆虫や動物の体液を吸う為に長く鋭い口吻を持っており、前脚は獲物を捕らえるのに都合がいい形をしています。
体長20ミリほどですが、頭部は円筒状で、複眼が飛び出しています。
複眼より後方に単眼を1対持ち、獲物を逃すことなく距離を確認しているようです。
写真では大きな蜘蛛に見えますが、実物は7~8ミリ程度のかわいい大きさで、クモ目クモ亜科ハエトリグモ科スジハエトリグモ属に分類され、この【チャスジハエトリ】と「ミスジハエトリ」の2種しかおりません。
部屋の片づけをしておりましたら、本箱の裏からピョコンと目の前に飛び出してきました。
「ネコハエトリ」 のコメントにも書きましたが、顔の中心部に大きな主眼が一対あり、その両脇に小さな一対の目を持ち、計4個の目が顔の前面にあります。
この大きな主眼、他の蜘蛛にはない長い円筒形の構造を持ち、獲物までの距離を正確に測定するとともに、色の識別も区別できる機能があります。
頭胸部と腹部に、2対の太い黒色の縦条が入りますので、すぐに見分けることができます。
カメラとのにらめっこに疲れたのか、またピョコンと本箱の後ろに消えてゆきました。
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