鮮やかな黄色い体に、黒い斑紋を持つ【ホシアシブトハバチ】の幼虫が、移動中でした。
体全体にあるドット模様が印象的で、成虫になりましても、黄色い体の腹部に同じように黒い斑紋が残っています。
この【ホシアシブトハバチ】は、ハチ目(膜翅目)広腰亜目コンボウハバチ科アシブトハバチ亜科と、分類は「蝶」や「蛾」のチョウ目(鱗翅目)とは違います。
一般的に「蝶」や「蛾」の幼虫は、3対の「胸脚」と4対の「腹脚」、そして1対の「尾脚」があり、「胸脚」が昆虫としての6本の脚になります。
「ハバチ」の仲間の幼虫の「腹脚」は通常6~7と多く、チョウ目の幼虫との区別の目安ができます。
チョウ目の 「シャクガ科」 の幼虫は「腹脚」が見られず、「尺取り」移動を見せてくれる特殊な生態をしています。
今年は例年になく【ナナホシテントウ】の当たり年のようで、よく見かけます。
これも温暖化の影響で、前年からの越冬がしやすくなったからかもしれません。
ヨモギの葉の裏で、静かに交尾中の【ナナホシテントウ】を見つけました。
普段なら葉をせわしなく動き回りながら、餌となるアブラムシを探しまわりますが、さすがに動かずに静かにしておりました。
交尾後は数十個の卵を、餌場となる近くの葉の裏側などに産卵します。
メスは約二カ月に渡り産卵を続け、1500~2000個の卵を産み付けますが、成虫になるのはわずかです。
第二世代は夏に出現しますが、無事に<卵 → 幼虫 → 蛹 → 成虫>という完全変態を経て、元気に飛び回ってほしいものです。
どこにでも見かける昆虫の【マルカメムシ】ですが、それでも遭遇する機会は少なくなりました。
カメムシ目(半翅目)胃翅亜目マルカメムシ科で、日本には十数種分類されています。
体長は5ミリと小さく、茶色で丸っこい形をしています。
<小楯板>は腹部全面をおおい、前翅はこの<小楯板>の下にたたみこまれます。
光沢がありますので一見甲虫類に見え、甲羅には黒い斑点が入っています。
カメムシの仲間は臭気を出すものが多く、特にこの【マルカメムシ】は一段と匂う嫌われ者の代表格ですので、手で捕まえることは止めておきました。
風に揺れている梢を見ていましたら、何やら枝のようなものが目に入りました。
よく見ますと、チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科の【ヨモギエダシャク(蓬枝尺蛾)】の幼虫、いわゆる「尺取り虫」さんです。
体長60ミリ程度と細長く、3対の「胸脚」と「尾脚」の間隔が離れているのが特徴です。
淡褐色の体色に細かい梨地模様が入り、木の幹や枝にとまっていますと、見つけるのは容易ではありません。
名称には「ヨモギ」と名がついていますが、、キク科・マメ科・バラ科・クワ科等、多種多様な葉を食べますので厄介ものです。
「尺取り虫」はよく使われる言葉ですが、案外本物を知る人は少ない、芋虫さんではないでしょうか。
ナデシコの咲き誇っているお庭に、【モンキアゲハ】が、優雅に飛んでいました。
アゲハチョウとしても、大きな体長ですので、ユラリユラリと飛んでいる姿に見とれてしまいます。
チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科の分類です。
大きな幅広の翅と、後翅にある黄白紋と長い<尾状突起>で、黒色系のアゲハチョウの中では、他種との区別が容易につきます。
写真の紋は白く見えますが、羽化したばかりの成虫のときには白色で、日が経つにつれて黄色みを帯び、正に「紋黄」の名称通りに変化してゆきます。
なかなか写せないアゲハチョウですので、気分のいい朝の散歩になりました。
右側の触角が折れている、少し痛々しい【ヨコヅナサシガメ】が、左手にとまりました。
カメムシ目(半翅目)サシガメ科の昆虫で、中国から東南アジアに分布していますが、昭和初期に貨物に紛れ込み九州に入ったと推測される、帰化昆虫です。
長野県以西の本州、四国、九州がおもな生息地域ですが、最近は関東地方においても、確認されているようです。
体長25ミリと、日本に生息する「サシガメ」の仲間では、もっとも大型の種類になります。
体色は光沢のある黒色で、頭部は細長く、腹部の両縁には白黒のまだら模様があり、翅の外に張り出しています。
羽化したての頃は、全体が真っ赤なのですが、時間と共に黒色に変化します。
脚部の付け根は、羽化当初の名残りでしょうか、赤色が残っています。
同じような模様の体型を持つ「シマサシガメ」がいますが、こちらは脚の模様が白黒のまだらですので、すぐに見分けがつきます。
ヨモギの葉の上で、昆虫を捕食した【ネコハエトリ】を見かけました。
クモ目ハエトリグモ科コゲチャハエトリグモ属の蜘蛛で、本種1種のみが属しています。
「ハエトリグモ」としては、どこにでも見かける一般的な蜘蛛です。
ハエ類を中心に、小型の虫を主食とする益虫で、個体差により模様が違うようですが、特有の体型から見間違えることはありません。
1センチにも満たない小型の蜘蛛で、ピョンピョンと飛び跳ねるように動き、行動は機敏です。
英名でも、「jumping spider」と呼ばれています。
【ネコハエトリ】は、顔の中心に大きな単眼1対と左右に分かれた小さな単眼1対があり、横に4個の目が並んでいます。
頭胸部の背後にも2対の小さな目を持ち、前後8個の目で獲物を捕獲すべく徘徊しています。
視覚がいいのでせっかくの機会、逃げられてはと前後からの撮影は諦め、忙しく食事中でしたが、上部からお邪魔させていただきました。
ヨモギの葉の上にいる【クワゾウムシ】を見つけました。
近くに桑の木は見当たりませんが、草食性ですので、なんでも食べるのかもしれません。
甲虫目カブトムシ亜科ゾウムシ科の昆虫で、体長15ミリ程度です。
体表は硬くて頑丈な<外骨格>におおわれていて、鎧を着ている感じがします。
「ゾウムシ」は、手で触りますとコロリンと転がり、偽死(死んだふり)をする面白い生態を見せてくれる種類が多い昆虫です。
昨年は、見るからに「ゾウムシ」らしい 「クヌギシギゾウムシ」 をアップしましたが、広義の「ゾウムシ上科」の分類では日本だけでも1000種以上いますので、多種多様な形態は当然かもしれません。
お昼過ぎに見つけました 羽化中の【ビロードスズメ】 が、翅を広げ切って完全な成虫の姿になりました。
体長60ミリはある、立派な形をしています。
名称通り、体も翅もビロードの滑らかさがよく見て取れます。
羽化中に見せてくれました<眼状紋>も、このステルス機のような三角形の翅形状に隠れて、もはや見ることはできません。
もうしばらくすれば大空に飛び立つことだと思いますが、飽きることなくここまでの1時間ばかり、楽しませていただきました。
真夏日になろうかという強い日差しのなか、生け垣の「カイヅカイブキ」の葉に掴まりながら羽化中の【ビロードスズメ】を見つけました。
スズメガの仲間も多くいますが、腹部の末端が鋭角を描き、なによりも腹部に丸くある大きな<眼状紋>で、【ビロードスズメ】だと同定できます。
最初に見かけたときはまだ羽化の途中で翅の大きさが小さく、「蛾」までは確認できましたが、種の同定までには至りませんでした。
チョウ目(鱗翅目)スズメガ科ホウジャク亜科の「蛾」ですが、ほっそりとした三角形の翅が完全に開きますと、時速50キロを超す飛翔力を発揮する、昆虫の中でも最速の部類です。
完全な成虫になりますと翅で腹部も隠れてしまい、きれいな<眼状紋>が見えなくなります。
羽化中の貴重な写真が撮れ、嬉しい一枚になりました。
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