日中戦争中に旧満州(現中国東北部)で細菌兵器の開発を進めた旧日本軍の関東軍防疫給水部〈731部隊〉を題材にした映画が中国で2025年7月31日に公開されます。
戦後80年の節目に合わせた上映で中国国民の対日世論が悪化するのではないかと、危惧され、中国在住の邦人社会からも不安の声が上がっているようです。
〈731部隊〉の正式名は「関東軍防疫給水部」。現在の中国東北部・黒竜江省ハルビンに本部を置き、主に日中戦争(1937~45年)の期間中、ペスト菌などを使った細菌兵器の開発や使用、中国人捕虜らに対する人体実験を行ったことが、多くの証言や資料、研究で明らかになっています。映画でもこうした「凶行」が取り上げられ、中国内では5月18日に公開されました予告編でも過激な描写に衝撃を受ける視聴者が出ています。
映画のタイトルは『731』です。中国東北部・吉林省出身の<趙林山(チャオ・リンシャン)>が監督を務め、<姜武(ジアン。ウー)>や<王志文(ワン・ジーウェン)>などの俳優が出演しています。2017年から製作を開始し、中国の農民や日本軍の軍医がストーリーの軸のようです。
中国メディアは「一人の小さな人物の紆余曲折する運命を通じ、731部隊が戦時中に中国で行った大罪を暴き、死を恐れずに戦う中国人民の物語を描いている」などと解説しています。