27日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は続伸して始まりました。インフレを巡る過度な懸念が薄れるなか、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げを再開するとの観測が高まっています。
(FRB)高官からは年内の利下げを示唆する発言が相次いでいます。ミネアポリス連銀の<カシュカリ総裁>は、27日公表しました小論で「年内に2回の(0.25%の)利下げをする見通しを維持している」と述べ、9月利下げの可能性に言及しました。
米関税政策を巡っては、米政権が「相互関税」の上乗せ部分の猶予期間を7月9日から延長する可能性が意識されています。26日には、<ラトニック商務長官>が10カ国・地域との交渉成立が近いと述べています。関税が一段と上がることへの警戒が薄れていることも、株買いにつながっているようです。
27日発表の5月の米個人消費支出(PCE)では物価指数が前月比(0.1%上昇)し、市場予想に一致しています。食品とエネルギーを除くコア指数の前月比上昇率は(0.2%)と、市場予想の(0.1%)を上回りました。一方、個人所得と個人消費支出がいずれも市場予想を下回っています。経済の減速感が強まっているとの見方は、株価の上値を抑えているようです。