「1ドル=143円02銭~143円03銭」
5月
22日
22日の東京外国為替市場で、円相場は8営業日続伸でした。17時時点では前日の同時点に比べ84銭の円高・ドル安の「1ドル=143円04〜06銭」で推移しています。
17時10分ごろには一時「1ドル=142円80銭」近辺まで上昇し、7日以来およそ2週間ぶりの高値をつけています。トランプ米政権の大型減税が恒久化されれば米国の財政が悪化するとの警戒感から、ドル売りが優勢でした。日米財務相会談で日本が円安是正を求められるとの思惑が後退して朝方に円売りが膨らむ場面がありましたが、売りの勢いは続きませんでした。
前日のニューヨーク市場で米長期金利は(4.60%)と約3カ月ぶりの高水準をつけています。トランプ政権の大型減税により米財政支出が拡大するとの懸念で米国債が売られ、ドル安が進んでいます。
22日の日経平均株価が下落し、「低リスク通貨」とされる円が買われた面もありました。ドイツなど欧州の株式相場が軟調に推移するなかで、欧州の市場参加者からも円買い・ドル売りが入り、「1ドル=142円台」までじょびています。
一方で円は早朝の7時過ぎに「1ドル=144円40銭」近辺まで急速に下げる場面がありました。<加藤勝信財務相>と<ベッセント米財務長官>はカナダ西部のバンフで21日(日本時間22日)に会談しています。
会談では、「通貨レートは市場で決定されるべきだ」との認識を共有。現状のドル円相場についても「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映しているとの認識を再確認した」ほか、為替水準については前回と同様に「議論しなかった」といいます。日本側が円安是正を求められるとの見方が後退し、円売り・ドル買いが出たようです。ただ、国内輸出企業など実需筋の円買い・ドル売り観測も聞かれるなかで、円安進行は一時的なものにとどまりました。