8日、埼玉県深谷市の〈旧渋沢邸「中の家(なかんち)〉で<藤井聡太王将>(22)に<永瀬拓矢九段>(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦7番勝負第5局は行われ、午後6時5分に<藤井聡太王将>が50手目を封じ、2日製の1日目が終了しています。
午後5時54分、封じるかと思われた<永瀬拓矢九段>が49手目に▲6八金寄と着手。<藤井聡太王将>は、午後6時に立会人の<藤井猛九段>が定刻を告げても、しばらく盤面をにらみ続け、その5分後、<藤井聡太王将>は封じる意思を示しました。
<藤井聡太王将>の3勝1敗でむかえた第5局は、先手<永瀬拓矢九段>、後手<藤井聡太王将>で始まりました。<藤井聡太王将>が2手目に指した△3四歩と角道を開けたのは、プロ入り以来後手番になった公式戦258局目に初めて指した一手でした。深い研究で知られる<永瀬拓矢九段>は予定変更を余儀なくされたようで、午前は持ち時間を使って対応を考えました。
角交換から互いに盤上に打ち合った角を、<藤井聡太王将>は40手目に△5三角と引いて持久戦模様になりました。駒組み合戦となれば後手の方が発展性があるため、<永瀬拓矢九段>としては攻めの糸口を掴みたいところです。41手目▲7七桂と跳ね、4六の角を中心に<藤井聡太王将>陣の右辺をこじ開ける方針と見られます。
攻めの形を作りたい<永瀬拓矢九段>と、持久戦に持ち込みたい<藤井聡太王将>の主張の張り合いがどうなるかが、本日9時から再開されます2日目の焦点になりそうです。