今年の読書(18)『紅旗の陰謀』濱嘉之(文春文庫)
2月
20日
本書『紅旗の陰謀』は、警視庁公安部長の密命を受けた、国際派の若きキャリア公安マン「片野坂彰」を主人公とするシリーズの第3作目になります。
ノンキャリアの最強の先輩情報官「香川潔」と、音大出身で4か国語を操り、コンピューターのスペシャリスト女性捜査官「白澤香葉子」を相棒として、本書より新しく「望月健介」がチームに加わり、家畜泥棒のベトナム人が惨殺された事件を発端に「片野坂彰」は、チャイニーズマフィア傘下の売春組織に目を付け、「片野坂」をチーフとする4人の精鋭チームは、中国の国家ぐるみの陰謀に対峙していきます。
著者の得意分野とする、新型コロナウイルス問題、オリンピック問題。中国・ロシア・トルコ・EU諸国の裏側と国際政治問題の分析が、本筋の事件解決を忘れさすほど、面白く、最後まで一気に読ませるエンターティメントとして注文の付けようがない一冊でした。