今年の読書(16)『東京・松嶋殺人ルート』西村京太郎(光文社文庫)
2月
16日
東京で初老の男女が相次いで亡くなります。男は交通事故死、女は溺死でした。二人とも亡くなる前に道を尋ねており、「……島」という謎の言葉を残してどこかの島に行こうとしていたらしいことが分かっています。
どちらの衣服にも、本人とは違う血液が衣服に付着しており、殺人事件の関係者ではないかと手がかりを求め「十津川」警部と「亀井」刑事は、投書のあった人物ではないかと秋田の田沢湖へ向かい、さらに宮城の松島へと辿り着きます。
東北観光地開発として事件の背後に浮かび上がる松嶋関連の福浦島を巡る利権争いが大きな焦点となって浮かび上がってきます。最後に、大胆な捜査に打って出た「十津川」に対して、犯人グループとの駆け引きが展開されていきます。
トラベルミステリー作家ということで「列車」がキーワードになることが多いのですが、本書では、「クルーザー」と「海」がキーワーどとして登場しています。