南極のペンギン、個体数激減
2月
12日
調査団が観察したのは、ペンギン科・アデリーペンギン属の「ヒゲペンギン」と呼ばれるペンギンのコロニーで、約50年前に実施した前回調査に比べて個体数は激減していました。
グリーンピースの南極探検隊に加わった独立系の調査団によると、南極半島の北東にあるペンギンの生息地エレファント島では、調査対象とした全コロニーで個体数の減少が確認されています。1971年に行われた前回調査では、エレファント島のコロニーには12万2550組のつがいがいました。しかし、今回の調査ではわずか5万2786組と、60%近く減っていました。
個体数の変化はコロニーによって差があるようで、減少幅が77%減と最大だったのは、チンストラップキャンプと呼ばれるコロニーでした。
気候変動の影響で海氷が減って海水は温暖化が進み、ペンギンが主食とするオキアミが減っています。
調査団は「恐らく根本的な原因は気候変動にある。その影響が食物連鎖に押し寄せている」と話し、「ペンギンもアザラシもクジラも、みんなオキアミに依存する。オキアミは氷に依存する。気候変動が氷に影響すれば、その影響はほかのすべてに及ぶ」と指摘しています。
「ヒゲペンギン」は南極半島の北部や、南極とニュージーランドの間にある無人島などに生息、国際自然保護連合(IUCN)によると、これまで「ヒゲペンギン」は絶滅の危険にさらされる恐れが最も少ないペンギンとみなされており、今回の調査結果は予想外だったようです。