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- 今年の読書(38)『墓標なき街』逢坂剛(集英社文庫)
刊行順とすれば第1作目の『百舌の叫ぶ夜』(1986年2月)に始まり、第5作の『鵟(のすり)の巣』(2002年6月)に次ぐ、久しぶりになるシリーズ復活です。
前作では<大杉>の娘<東房めぐみ>は中学3年生でしたが、本書では28歳の刑事として登場していますので、物語としては13年が経過していることになります。
警察官や右翼関係者を殺戮してきた殺し屋<百舌>は、<大杉>に殺されたあと、死体の行方はわからなくなっていましたが、本書で解き明かされます。
東都ヘラルドの<残間龍之輔>は、<百舌事件>当時の上司であり、雑誌「ザ・マン」編集長の<田丸清明>から、<百舌事件>の原稿依頼を頼まれます。また、武器不正輸出に関するタレこみを受けます。
<残間>は刑事をやめ探偵事務所の所長<大杉良太>にタレこみ事件の調査を依頼しますが、当時の事件を知る警視になっている<倉木美希>が襲われ、「百舌鳥の羽根」が現場に残されていました、武器輸出問題に関連する人物も殺され、やはり「百舌鳥の羽根」が現場に残されていました。
<百舌>を模倣する殺人者へと、<倉木>と<大杉>は近づいていきますが、事件は思わぬ結末を迎えます。
文庫本で500ページを超える大作ですが、<百舌>シリーズとしてまだまだ続きそうなエンディングでした。
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