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- 今年の読書(30)『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』小路幸也(集英社文庫)
明治18年創業の古本屋「東京バンドワゴン」を舞台として<堀田>家4世代に渡り繰り広げられる、下町人情話のシリーズの第11巻目が本書です。第一巻目のタイトルは『シー・ラブズ・ユー』であり、各巻とも楽曲のタイトルが付けられています。
4世代に渡る家族ということで登場人物の数も多く、巻頭につけられている家族の相関図が役に立ちます。
短編4篇がおさめられており、物語の進行は語り部として、現古書店の2代目店主<勘一>の亡くなった妻<サチ>が務めています。
古書店が舞台ということで、創業者の<達吉>が残した「呪いの目録」やイギリスの古書店との騒動を中心に、古書をからめ、孫の幼稚園仲間への思いやりなどが人情味豊かに描かれています。
シリーズものですので、登場人物たちも併せて年齢を重ねていきますので、それぞれの登場人物たちの性格付けも面白く楽しめ、今後の展開がどこまで続くのかと気になるシリーズです。
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