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今年の読書(91)『プリニウスと怪物たち』澁澤龍彦(河出文庫)

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<澁澤龍彦>といえば、<マルキド・サド>の『悪徳の栄え(続)』の翻訳出版で猥褻に関する裁判闘争の印象が強く残っていますが、幅広い博博学な知識で書かれたエッセイに圧倒された作家でもあり、1987(昭和62)年8月に59歳で病死しています。

彼の著作は「河出書房」から多く刊行されていますが、学生時代によく読んだ作家として、新しい文庫本(2014年8月10日刊)の本書が目にとまりました。

表題の「プリニウス」は、古代ローマの博物学者<ガイウス・プリニウス・セクンドゥス>のことであり、自然界を網羅する史上初の百科全書『博物誌』(全37巻)を表した人物です。

本書は著者が興味を持つ『博物誌』を元に、いわゆる畸形と呼ばれる怪物たち(一本足の人間・火トカゲの「サラマンダ」・一角獣・スフインクス・ケンタウルス)等についてのエッセーを集めたアンソロジーです。

ユーモラスで自由な人間の想像力が生み出した数々の怪物たちを、幅広い博学の視点から分析しており、科学が優先する16世紀までの世界観がよくわかり興味深く読めました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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