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- 『荒野 16歳 恋しらぬ猫のふり』桜庭一樹(文春文庫)
第一巻の 『荒野 12歳 ぼくのちいさな黒猫ちゃん』 は、中学の入学式に一人で出向く主人公<山野内荒野>で、父親の恋愛小説家<正慶>は締め切り間近の原稿を書いており、母は他界しています。
入学式に出会った<神無月悠也>に恋心を持ちますが、その<悠也>の母<蓉子>が<正慶>の後妻になってしまいます。
第2巻の 『荒野 14歳 勝ち猫 負け猫』 は、<悠也>がアメリカに留学、<正慶>と義母<蓉子>の三人の生活が始まり、<正慶>の浮気の虫が活発化してきたり、<蓉子>が妊娠したりとの変化が出てきます。
第三巻の本書はそれらを背景にして始まり、生まれた妹は<鐘>と名付けられ、<正慶>は恋愛小説賞を受賞しますが、<蓉子>は<鐘>を連れて若い男と遁走してしまいます。
16歳になり、少女から大人になる微妙な年齢の成長記録として、内面的に揺れる<荒野>に共感を覚える一冊でした。
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