『犠牲にあらず』藤野眞功(新潮社)
2月
26日
ある日<健一>のところに週刊誌の記者が現れ、取材攻撃にさらされます。
加害者家族、被害者家族のそれぞれの立場が、マスコミの扱いによって逆転してしまうという設定は納得できるところですが、ノンフィクション作家として初めての長編ということですが、もう少し突っ込んだ状況設定がほしいところでした。
マスコミ関係者、元同房の犯罪者、環境問題に取り組む芸能人等、ざまざまな登場人物が入り乱れ、すばやい切り替えの場面展開ですが、あれもこれもと話題を詰め込みすぎて、なかなか読み手として流れに乗れない筋の展開でした。