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今年の読書(35)『雪のひとひら』ポール・ギャリコ(新潮文庫)

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今年の読書(35)『雪のひとひ...
読む本を選ぶ基準は、好きな作家だというのが大きな要素だと思いますが、<本>自体の装丁などに引かれる場合が多々あります。

この『雪のひとひら』も、きれいな青い表紙が目にとまり手にしてみました。
著者の名は、1972(昭和45)年に封切られた映画『ポセイドンアドベンチャー』の原作者として印象が強く残っていましたので、読んでみることにしました。

ある寒い朝、空から<雪のひとひら>は生まれ、地上に舞い降ります。
地面に落ち、小川に流され、大きな川を下る長い旅が始まります。
旅の途中で人生の伴侶となる<雨のしずく>と出会い、4人の子供を授かります。
火事場の消化水として働き、苦難を超え大海に流れて行きますが、旅の途中で伴侶である<雨のしずく>を亡くし、子供たちもそれぞれの水の分岐に沿って旅だって行きます。

雪の発生から、太陽の熱で気化消滅するまでの過程を、女性の一生に擬人化し比ゆ的に表した、大人の童話でした。

水の属性になぞらえ、人生の流転を流れるままに受け止める<雪のひとひら>の姿勢は、生きてゆく限りとどまることなく活動を続けることが大切であり、人間として自然な姿なのだと感じさせてくれた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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紫
さんからコメント
投稿日 2012-03-19 10:53

人の人生そのものの作品ですね。

装丁に宇宙を感じます。
瑠璃色が効いています。

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2012-03-19 19:57

簡単な文章の流れなのですが、そこからくみ取れる内容は、どれ大きな示唆があると感じました。
長く読み継がれている意味、良く理解できました。

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エメラルド
エメラルドさんからコメント
投稿日 2012-03-19 22:57

雪のひとひらの装丁綺麗ですね~!
訳者の方、ちゃんと適切なタイトルを選ばれていますね。ひとひらという言葉すごく重みがあります。

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2012-03-20 18:25

翻訳されている矢川澄子さん、ずっとポール・ギャリコ氏の担当のようで、使われている単語の「ニュアンス」が身についているのではと想像しています。
一人の作家に精通しての翻訳は、安心して読めますね。

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