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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(5)『要人警護』渡辺容子(講談社文庫)

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スルガ警備保障に勤める<八木薔子(しょうこ)>は、「ムゲンドー」女子陸上部の「走る妖精」と言われるマラソンランナーの<日比野真姫(まき)>を、ヘルシンキのマラソン大会で途中棄権したことによるファンの暴動を避けるべく、仲間と共に警護の任務に就きます。

警護に着いた矢先、コーチの<和田>が何者かに刺殺され、また<真姫>は週刊誌で<和田>との不倫問題に悩まされるなか、「天狼66」と名乗る者から「ムゲンドー」本社にも彼女にも銃弾入りの脅迫状が届きます。

重ねるように、別れた恋人の美容師<八神豊>の切断された頭部が<真姫>の元に送られ、やはり「天狼66」からの脅迫だとわかりますが、事件は思わぬ方向に展開していきます。

要人警備という業務の内容やシステムが良くわかり、また、脇役として<真姫>の追っかけオタクの<上条恵介>や、<真姫>の父である元プロレスラーの<パンサー日比野>などが面白みを増す役割で、楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(4)『結婚相手は抽選で』垣谷美雨(双葉文庫)

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今年の読書(4)『結婚相手は抽...
晩婚と少子化対策で、「25歳から35歳の独身男女は、政府が決めたお見合い相手とお見合いをしなければならない。2人までは断ることができるが、3人断った場合は強制的に<テロ撲滅隊>に2年間の兵役義務が課せられる」という法案が通り、あたふたとする男女の物語です。

女性陣は、看護師の<鈴掛好美>、テレビ局に勤める<名村奈々>が登場、男性陣はツアーコンダクターの<銀林嵐望>とシステムエンジニアの<宮坂龍彦>達が、それぞれの異性感をもちながら、「抽選お見合い会」に参加してゆくさまがコミカルに描かれています。

<銀林>は男前と両親が有名人ということで結婚に踏み切る女性が少なく、また<宮坂>を含めたモテないオタク仲間たちは、デートの機会ができることで心浮き立っています。

それぞれの登場人物たちの生まれた家庭環境を背景に、「結婚」の意味を考えさせる構成で、非現実的(?)な発想がゆえに、それぞれの男女に希望が見いだせるエンディングまで、面白く読めました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(3)『中国毒』柴田哲孝(光文社文庫)

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今年の読書(3)『中国毒』柴田...
読み終り、解説の<読み終えた方ならこの「小説」がどれほどの爆弾かおわかりであろう。本を閉じてからの毎日を不安のなかで過ごさねばならなくなるはずだ>の文章に「まったくだ」と納得せざるをえません。

主人公<間宮>は、警視庁外事情報部国際テロリズム対策課に所属する警視正ですが、警視庁長官暗殺事件の犯人だと思われるテロリスト<毒龍>を追い求めるうちに、厚生労働省特殊疾病対策本部のメンバーが次々に殺される事件が起こります。

メンバーは共に日本において「クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)」の発病率が大都市近辺で以上に増えていることに気が付き厚生労働省に資料を送るのですが、なぜか政府は一般国民に開示しません。

そんな折、自分の母親を14年前に(CJD)で亡くした週刊記者の<奈村由美子>は、独自に連続殺人と(CJD)の関連を追い求め、中国製の食品の中に<クールー>と呼ばれるプリオン体を含んだ<人間の脳や骨髄>が使用されているのではないかと突き詰めていきます。

対中国との政治的取引が絡み、記憶に新しい毒冷凍餃子事件やダイエット食品による下痢事件、鰻のマラカイトグリーンの使用等、冒頭に述べたとおり中国食品の安全性への不信感、またミドリ十字のエイズ問題等の厚生労働省のかわらない役人体質に義憤を感じながら読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(2)『だいたい四国八十八ヶ所』宮田珠己(集英社文庫)

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今年の読書(2)『だいたい四国...
四国88か所のお遍路さんは、すべてを一気に巡る「通し」と、何回かに分けてつないでいく「区切り」の二通りがあります。

本書は「区切り」のお遍路ながらも、全行程を歩いて四国一周を果たした体験記です。
文章の頭に、全行程の四国のイラスト図と高低差のわかる図表がありましたので、著者の文章を読みながら、合わせて場所等の確認ができて助かりました。

宗教心も悩み事もない著者は、お遍路自体に意味を見出すことなく、ただ単に四国一周を歩き通したいという理由だけで一番札所「霊山寺」から始め、八十八番札所「大窪寺」、そして「結願」として一番札所に戻るまでの64日が、旅とレジャーの執筆を生業とする目線で綴られています。

足のマメの傷みに耐え、行く先々で「お接待」を受けながらの道中記、<熊倉伸宏>氏の 『あそび遍路』 を読んで以来のエッセイですが、ハウツー物としての知識も増え、面白く読み終えれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(1)『一匹羊』山本幸久(光文社文庫)

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今年の読書(1)『一匹羊』山本...
「未年」ということもあり、今年の読書の一冊目は、9編の短篇が収められた『一匹羊』を選びました。

どの短篇もごく普通にあるだろうなという日常的な生活の場面を背景に、それぞれの主人公たちの心の動きをさりげない文体で描き、新しい人生の一歩を踏み出す心のさまが、素直に心にしみ込んできます。

タイトルにもなっている『一匹羊』は、ごく平凡な縫製メーカーに勤める40歳の<大神>は、受注した居酒屋のユニフォームのデザインが他店の盗作だと見破りますが、上司から売り上げのために目をつぶれと諭されてしまいます。
同じ部署には20歳の<沖元美香>がおり、何事に対しても実直で自分の意見を持つ姿勢に、<大神>は若いころの自分の生き様と重ね合わせて好感をもってみています。

ある日中学生が職場体験に派遣されてきますが、<キクチ>という生徒と触れ合ううちに、若かりし頃の自分の気構えを取り戻していきます。
会社の上司に対して反抗することなく、人間性が丸くなったと周囲から見られていますが、本人は「ずるい大人になっただけ」と割り切って<羊>になっていましたが、<沖元>や<キクチ>に刺激を受け、若いころの希望に燃えた<一匹狼>に変貌する姿が、心に爽やかに響く作品でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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<生け花>(209)【嵯峨御流】@山陽東須磨駅改札口横

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<生け花>(209)【嵯峨御流...
2015(平成27)年の年明け一番の<生け花>は、大好きな<佐々木房甫>先生の作品で幕開けです。

お正月飾りということで、縁起が良い「松」・「葉牡丹」・「センリョウ(千両)」が使用され、黄色・赤紫色・白色の「菊」が添えられていました。

左上方に大きく「松」の枝を配置し、右側の「松」の枝とのバランスを取る要として各種の花がまとめられていました。

使用されている花器も素晴らしく、全体を引き締める役割を十分に担ってました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(157)『複合捜査』堂場瞬一(集英社文庫)

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今年の読書(157)『複合捜査...
本書『複合捜査』は、「捜査シリーズ」として『検証捜査』に次ぐ2段目として、2014年12月16日に文庫本として発売されています。

さいたま市で治安悪化に対応する夜間緊急警備班が発足。班長の「若林」警部は、部下の失態で出世街道を外れた男。仕事の虫で部下を無能扱いする彼は、若手刑事から煙たがられる存在でした。

ある夜、放火現場へ急行し、初動捜査にあたります。翌日、繁華街で発見された惨殺死体が、放火と関連があると睨んだ警備班は独自の捜査を進めていきます。

トップの「若林」警部のキャラが秀逸でした。周りからの皮肉を皮肉で返す火に油を注ぐ天才的な頭の回転の良さ、部下にも容赦が無さすぎて周りからも、別の管轄からも露骨に嫌われてるのに気付いてるのに何ともないメンタルの強さ。一生懸命やってるが空回り。

しかし、警察の意地悪さを知った上で『失敗して格好悪くて何だ?皮肉を言われようが嫌われようが市民を助けるのが警察官だろうが!』という凶悪犯を追う熱い刑事魂を、スピード感溢れる筆致で描いている作品です。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(156)『居酒屋お夏』岡本さとる(幻冬舎時代小説文庫)

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今年の読書(156)『居酒屋お...
今年最後の読書は、居酒屋好きの酒呑みらしく『居酒屋お夏』を選びました。

主人公は目黒不動で「酒 飯」の幟を掲げた居酒屋を営む女将の<お夏>ですが、経歴・年齢不詳で客に対して毒舌を絶やさず、「因業婆」・「くそ婆ァ」と呼ばれています。

本書は四話の短篇からなり、市井に起こる事件を、「天女」ともおもえる美女が手助けして解決してゆく人情噺ですが、この「天女」が<お夏>だとはどこにも書かれていませんが、自然と読者に裏世界での顔だと暗示させています。

「くそ婆ぁ~」と罵りながら毎日顔を出す口入れ屋の<龍五郎>、<お夏>の店の寡黙な料理人<清次>を脇役に、人生の機微に戸惑う人々との交流がほのぼのと描かれています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(155)『こなもん屋うま子』田中啓文(実業之日本社文庫)

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今年の読書(155)『こなもん...
いやぁ~、関西人としては関西弁の駄洒落・ボケとツッコミ・オチのオンパレードで、抱腹絶倒、笑えた一冊でした。

本書は「粉もん」にかかわる7話の構成で、ストーリーの組み立てはどの章も同じなのですが、前述しました巧みな関西弁の文章力と、「粉もん」屋の店主であり主人公である大阪のおばはん<蘇我屋馬子>の強烈な個性で、一話一話どれもが楽しめる内容でした。

主人公<馬子>のお店は、「粉もん」全般を扱うお店として商店街や飲み屋街の一角に店を構え、<お好み焼き>・<たこ焼き>・<うどん>・<ピザ>などを、<蘇我屋イルカ>という10代と思しき女の子と営業、店に食べに来る登場人物たちの悩みを解決していきますが、彼らが改めて足を運ぶと、お店は初めからなかったように消えてしまっています。

B級グルメ派を自認していますが、第一話の<お好み焼き>を中心とした『豚玉のジョー』の章では「隠れた名店」の条件として6項目ほど記載されている部分があり、<マヨネーズは、できれば「いりますか」とたずねてくれるほうがいい>など、相槌を打つ場面が多々あり、「そうだ、そうだ」とひとりでツッコミを入れながら楽しく読み切りました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(154)『パパは楽しい躁うつ病』北杜夫・斉藤由香(新潮文庫)

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今年の読書(154)『パパは楽...
<北杜生>が亡くなってはや3年ばかりが経ちますが、2009年に朝日新聞社から発行されていました本書が、新潮文庫に登場していました。

『楡家の人びと』や芥川賞受賞作品の『夜と霧の隅で』などの代表作をはじめ、<マンボウ>シリーズの随筆を高校生の頃に読みふけりました。

著者の「躁うつ病」は有名で、あちらこちらに自ら書かれていますが、当時は今ほど一般的な病名ではなく、同じ精神科医の<なだいなだ>が「北君の社会的貢献は、躁うつ病を世に広めたことだ」と言わしめています。

<斉藤由香>は著者の一人娘で、躁うつ病のために母親と一緒に別居生活を余儀なくされたことや株の投資で破産したこと、日本から独立して「マンボウマゼブ共和国」設立などの裏話が、二人の赤裸々な対談形式で楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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