『ビブリア古書堂の事件手帳<2>』三上延(メディアワークス文庫)
10月
25日
本書では、10年前に失踪した母から贈られた<坂口三千代>の『クララ日記』が、プロローグとエピローグに登場、古書堂の美人店主<篠川栞子>の過去に触れる構成です。
今回は3篇の物語が連作で語られ、第一話は前作で登場した<小菅奈緒>の妹<結衣>が書いた読書感想文に端を発して、早熟だった<栞子>の過去が明かされます。
第二話は<司馬遼太郎>の唯一の推理小説『豚と薔薇』が登場、本名の<福田定一>名義で書かれた『名言随筆 サラリーマン』が、父から娘への愛情だと見抜く<栞子>であり、第三話では漫画の分野にまで知識が及び、<藤子不二雄>のデビュー当時のペンネーム<足塚不二雄>名で書かれた『UTOPIA 最後の世界大戦』にまつわる<栞子>の母親の過去の出来事が綴られています。