今年の読書(81)『ある男』が映画化され、2022年に全国で公開されることが、文庫本の{帯}宣伝として載っています。
第70回読売文学賞を受賞した<平野啓一郎>の『ある男』の主人公は帰化した在日三世の弁護士「城戸章良」です。「城戸」は、不慮の事故により夫「大祐」を失った「谷口里枝」から、彼の身元調査をしてほしいという相談を受けます。法要の日、長年疎遠になっていた大祐の兄「恭一」が遺影を見て「これ、大祐じゃないです」と言い、別人だったとわかります。「城戸」はなりすましの〈ある男〉の正体を追う中でさまざまな人物と出会い、他人として生きた男へ複雑な思いを募らせていきます。
『愚行録』 ・ 『乱反射』などの<妻夫木聡>が「城戸」役で出演。「里枝」を『百円の恋』 ・ 『万引き家族』などで異彩を放つ<安藤サクラ>、その夫で「谷口大祐」と名乗っていた男をNHK連続テレビ小説『エール』で主演を務めた<窪田正孝>が演じています。また本物の「大祐」の元彼女「後藤美涼」役で<清野菜名>、「恭一」役で<眞島秀和>、城戸の同僚「中北」役で<小籔千豊>、「本物の大祐」役で<仲野太賀>、城戸の妻「香織」役で<真木よう子>、戸籍交換ブローカー「小見浦憲男」役で<柄本明>が出演。
『蜜蜂と遠雷』 ・ 『Arc アーク』の<石川慶>が監督を務め、『聖の青春』 ・ 『愚行録』の<向井康介>が脚本を担当しています。
本日<13:00>より「NHK BSプレミアム」にて1985年アメリカ製作の『原題:Out of Africa』が、邦題『愛と哀しみの果て』として1986年3月15日より公開されました作品の放送があります。
20世紀初頭のアフリカを舞台に、愛と冒険に生きたひとりの女の半生を描いた一大ロマンスです。スウェーデン貴族と結婚し、ケニアに渡って来たデンマーク人の令嬢「カレン」でした。だがそこには幸せな結婚生活は無く、コーヒー農場経営も思うように進みません。そんな彼女の前にサファリのガイドを務めているイギリス人冒険家「デニス」が現れます。
監督は<シドニー・ポラック>が務め、主演として「カレン」に<メリル・ストリープ>、「デニス」に<ロバート・レッドフォード>が演じています。
1937年に出版された<アイザック・ディネーセン>の『アフリカの日々』を<カート・リュードック>が脚本にまとめています。
アフリカの雄大な美しい映像と2ダイスターの名演技で第58回アカデミー賞作品賞など7部門を受賞ならびに第43回ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞を受賞した作品です。
『ベイビーわるきゅーれ』・『黄龍の村』など、バイオレンス、アクション、ホラージャンルの作品で注目を集める<阪元裕吾>が監督を務めた『最強殺し屋伝説国岡 完全版』が、2021年10月8日より公開されます。
あるひとりの殺し屋の日常や仕事の様子を描いたフェイクドキュメンタリー構成です。『ベイビーわるきゅーれ』のシナリオ作りに励んでいた<阪本裕吾>は、「関西殺し屋協会」なる殺し屋ビジネスネットワークの存在を知り、協会の紹介で京都最強と呼ばれるフリー契約の殺し屋「国岡昌幸」と出会います。
「国岡」の密着取材で彼と行動をともにする<阪元裕吾>監督は、友人や恋人と過ごす「国岡」のプライベートや、仕事として殺人の依頼を受け、淡々と対象人物を殺めていく姿を包み隠さずカメラに捉えていきます。そんな<阪本裕吾>監督の熱心な密着取材が続く中で、殺し屋と依頼元との連絡ミスが良からぬ事態へと転じていく一幕がありました。そのトラブルはやがて肥大化し、「国岡」は大殺戮を繰り広げることとなります。
40年以上にも渡りチリの弾圧の歴史を描いてきた<パトリシオ・グスマン>が、『光のノスタルジア』(2010年)『真珠のボタン』(2015年)に続く一大叙事詩最終章となるチリ弾圧の歴史を描いた2017年チリ・フランス合作製作の3部作目の『夢のアンデス』が、2021年10月9日より全国で公開されます。
本作は、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞とインディペンデント批評家賞をダブル受賞したドキュメンタリー映画です。
1973年9月11日、チリで軍事クーデターが勃発。<サルバドール・アジェンデ>大統領による世界で初めて選挙によって選出された社会主義政権を、米国CIAの支援のもと、<アウグスト・ピノチェト>の指揮する軍部が武力で覆します。<ピノチェト>政権は左派を根こそぎ投獄し、3000人を超える市民を虐殺します。
<パトリシオ・グスマン>監督もドキュメンタリー映画『チリの闘い』撮影後に政治犯として連行されるが釈放され、フィルムを守るためパリへ亡命しました。輝かしいアジェンデ時代の歴史と、クーデター後に新自由主義の実験の場となってしまったチリの現状を、作家や彫刻家、音楽家たちの告白を交えつつ、アンデスの山々のように俯瞰した視座から見つめ直しています。
『そこのみにて光輝く』(1989年) ・『きみの鳥はうたえる』(1982年)などの原作で知られる作家<佐藤泰志>(1949年4月26日 ~1990年10月10日)の同名小説『草の響き』を、『寝ても覚めても』の<東出昌大>主演で映画化した『草の響き』が、2021年10月8日より全国で公開されます。
心のバランスを崩し、妻と一緒に故郷・函館へ戻ってきた「工藤和雄」は、精神科の医師に勧められ、治療のために街を走り始めます。雨の日も真夏の日もひたすら同じ道を走り続け、その繰り返しの中で、「和雄」は徐々に心の平穏を取り戻していき、やがて彼は、路上で知り合った若者たちと不思議な交流を持つようになります。
慣れない土地で不安にさいなまれながらも「和雄」を理解しようとする妻「純子」役に『マイ・ダディ』(2021年・監督:金井純一)の<奈緒>、「和雄」に寄り添う友人役に『明日の食卓』の<大東駿介>が演じ、監督は、『空の瞳とカタツムリ』(2019年) ・ 『なにもこわいことはない』(2013年)の<斎藤久志>が務めています。
北海道函館市高砂町出身の<佐藤泰志>の没後30周年に当たる2020年に映画製作が発表され、同年11月にクランクインし、全編函館ロケで撮影が行われました。
黒人教会にルーツを持ち、キリスト教と密接な関係にある宗教音楽「ゴスペル」を歌う日本人たちを追った音楽ドキュメンタリー『歌と羊と羊飼い』が、2021年10月9日より全国で公開されます。
約20万人を数える日本のゴスペル人口のうち90%以上がノンクリスチャンで、無宗教の人々がゴスペル音楽に親しんでいます。これは世界的にみてもあまり類を見ない現象です。
スペイン出身のゴスペルシンガー、全国ゴスペルコンテストの頂点を目指す少女たち、米国黒人教会で活動していた牧師、ゴスペルに真摯に向き合うミュージシャンたち、ゴスペルに出会い変わっていく主婦の姿を追い、歌と生きることを描きながら、特別な信仰をもたない日本人がなぜ宗教音楽のゴスペルを歌うのかの一端を、『ぼくと、彼と、』(2019年) ・ 『FRIDAY』(2020年)の<四海兄弟>が監督を務め明らかにしていきます。
本日<13:00>より、「NHK BSプレミアム」にて、2003年1月18日より公開されました、第15回東京国際映画祭特別招待、芸術文化振興基金助成事業作品の『壬生義士伝』の放送があります。
新選組に参加した、名も無き武士のひたむきな生き様を描いた時代劇です。<浅田次郎>の同名小説を原作に、監督は、『陰陽師』の<滝田洋二郎>が務めています。
明治32年、東京市。冬のある夜、満州への引っ越しを間近に控えた大野医院に病気の孫を連れてやってきた老人「斎藤一」(佐藤浩市)は、そこにかつて新選組で一緒に戦った隊士「吉村貫一郎」(中井貴一)の写真を見つけます。
盛岡の南部藩出身の「吉村貫一郎」は、純朴な外見に似合わない剣術の達人でしたが、その一方で名誉を重んじ死を恐れない武士の世界に身を置きながら、生き残ることを熱望し、金銭を得るために戦った男でもありました。全ては、故郷で貧困に喘ぐ家族のため。脱藩までして新選組に入隊した彼には、金を稼ぎ、愛する家族のために生き残る必要がありました。「斎藤一」はそんな「吉村貫一郎」を嫌っていましが、反面、一目置くところもありました。時が過ぎ、大政奉還。一転して賊軍となった新選組は、官軍の制圧に遭い壊滅状態に陥ります。
ところが、「吉村貫一郎」だけは脱藩で裏切った義を二度と裏切れないと、たったひとりで最後まで戦い抜きます。そして、傷ついた彼は大阪蔵屋敷の差配役として赴任していた幼なじみの「大野次郎右衛門」(三宅裕司)の情けで、官軍に引き渡されることなく、故郷を想いながら切腹したのでした。思いかけず、次郎右衛門の息子「大野千秋」(村田雄浩)から、気になっていた「吉村貫一郎」の最期を聞くことが出来た「斎藤一」は、「貫一郎」の娘で今は「千秋」の妻となった小児科医「みつ」(夏川結衣)の診断を終えた孫を連れ、夜の道を帰っていくのでした。
<デビッド・ボウイ>の若き日の姿と、彼の最も有名な別人格「ジギー・スターダスト」誕生の裏側を描いた伝記映画『スターダスト』が、2021年10月8日より全国で公開されます。
1971年、3作目のアルバム『世界を売った男』をリリースした24歳の<デビッド・ボウイ>はイギリスからアメリカへ渡り、マーキュリー・レコードのパブリシストである<ロン・オバーマン>とともに、初の全米プロモーションツアーを開始します。
しかし彼は自分が世間に全く知られていないこと、そして時代がまだ自分に追いついていないことを知ります。<ベルベット・アンダーグラウンド>や<アンディ・ウォーホル>との出会いなど、アメリカで多くの刺激を受ける<デビッド・ボウイ>でした。
一方、兄の病気も彼を悩ませていました。いくつもの殻を破り、やがて世界屈指のカルチャーアイコンとしての地位を確立していく<デビッド・ボウイ>を、『ブルックリンの恋人たち』への出演やミュージシャンとしても活躍する<ジョニー・フリン>が演じています。共演に『ハンガー・ゲーム』シリーズの<ジェナ・マローン>、監督は、『大統領暗殺』の<ガブリエル・レンジ>が務めています。
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』 ・ 『スナッチ』の<ジェイソン・ステイサム>と<ガイ・リッチー>監督が、『リボルバー』以来16年ぶりにタッグを組み、2003年製作のフランス映画『ブルー・レクイエム』(2004年・監督:ニコラ・ブークリエフ)をリメイクした『キャッシュトラック』が、2021年10月8日より全国で公開されます。
ロスにある現金輸送専門の警備会社フォルティコ・セキュリティ社では、特殊な訓練を受け、厳しい試験をくぐり抜けた警備員たちが現金輸送車=キャッシュトラックを運転していました。そこに新人の「パトリック・ヒル」、通称<H>が警備員として採用されます。採用試験の成績はギリギリ合格というレべルでした<H>ですが、ある時、トラックを襲った強盗を驚くほど高い戦闘スキルで阻止し、周囲を驚かせます。
そして、彼の乗るトラックがふたたび強盗に襲われると、<H>の顔を見た犯人たちはなぜか金も奪わずに逃げてしまいます。周囲が<H>の正体に疑心を抱く中、全米で最も現金が動くブラック・フライデーにフォルティコ・セキュリティ社に集まる1億8000万ドルの大金を狙う強奪計画が進行していました。
<園子温>監督が、<ニコラス・ケイジ>を主演に迎えて描いたハリウッドデビュー作『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』が、2021年10月8日より全国で公開されます。
悪名高き銀行強盗「ヒーロー」は、裏社会を牛耳るガバナーのもとを逃げ出した女「バーニス」を連れ戻すよう命じられます。
特殊なボディスーツに身を包んだ「ヒーロー」は、東洋と西洋が混ざり合った美しくも暴力的な世界「ゴーストランド」にたどり着きます。混沌に包まれた町で、定められた時間内に「バーニス」を探し出すべく奔走する「ヒーロー」でした。
共演に『キングスマン』の<ソフィア・ブテラ>、『悪魔のいけにえ2』の<ビル・モーズリー>、『きみに読む物語』などの監督として知られる<ニック・カサベテス>。日本からは「RE:BORN リボーン」の<TAK∴>(坂口拓)、『愛なき森で叫べ』の<中屋柚香>、<YOUNG DAIS>、<古藤ロレナ>、<縄田カノン>らが出演しています。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ