「懲役刑」と「禁錮刑」を廃止し「拘禁刑」に一本化する改正刑法が、6月1日に施行されました。これまでの懲罰から受刑者の「立ち直り」に軸足を移し、刑務作業と指導を組み合わせた柔軟な処遇を目指します。1907年の刑法制定以来、新たな刑罰の導入は初めてです。
2022年6月に成立した改正刑法は、「拘禁刑」について「(受刑者の)改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、必要な指導を行うことができる」と規定。刑務作業は義務ではなくなる。拘禁刑の対象は6月の施行後に罪を犯した人となります。
導入の背景には、高止まりする再犯率の問題がある。犯罪白書によりますと、2023年の再犯率は(47%)で、近年検挙者の約半数を再犯者が占めています。このため、更生や再犯防止を重点に据えた処遇が求められていました。
従来の懲役刑では、受刑者が刑務作業に追われ、更生や再犯防止のための指導を受ける時間を十分に確保できない場合がありました。