31日早朝の東京外国為替市場で、円相場は大幅に上昇しています。8時30分時点は「1ドル=149円32〜33銭」と前週末17時時点と比べて1円06銭の円高・ドル安でした。
米景気懸念が高まるなか、前週末の米株式相場が大きく下げて「低リスク通貨」とされる円には買いが入りました。米経済指標の下振れで米長期金利が低下したのも円買い・ドル売りにつながっています。
28日発表された2月の米個人消費支出(PCE)は前月比(0.4%増)と市場予想(0.5%増)に届きませんでした。3月の米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値も速報段階から下方修正されています。米景気不安が高まり前週末に米長期金利が低下し、日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りが広がりました。
<トランプ米政権>は4月2日に貿易相手国と同水準まで関税率を引き上げる「相互関税」の発表を予定し、各国が報復措置に動けば貿易摩擦が激化するとの懸念も高まっています。
前週末には米ダウ工業株30種平均が715ドルあまり下落したほか、日本時間31日早朝の取引で日経平均先物が大幅安となっており、投資家がリスク回避姿勢を強めるとの見方が円買い・ドル売りを誘っています。