南イタリアの小さな島を舞台に、純朴な青年が島を訪れた詩人との交流を通して成長していく姿を描いた『イル・ポスティーノ』は、1996年5月18より日本初公開されていますが、製作30周年と<パブロ・ネルーダ>生誕120周年を記念して4Kデジタルリマスター版で、2024年11月8日よりリバイバル公開されます。
実在したチリの詩人<パブロ・ネルーダ>が祖国を追われた際にカプリ島へ身を寄せた史実をもとにした<アントニオ・スカルメタ>の小説を映画化しています。
ナポリ沖合の小島に、祖国を追放された詩人で外交官の「パブロ・ネルーダ」が滞在することになります。世界中から届くファンレターを配達するため、島の青年「マリオ」が臨時配達人として雇われます。美しい砂浜で「ネルーダ」は自作の詩を「マリオ」に聞かせ、詩の隠喩について語るのでした。「マリオ」は「ネルーダ」の温かい人柄に惹かれ、2人は友情を育んでいきます。やがて「マリオ」は島の食堂で働く「ベアトリーチェ」に恋をします。
「パブロ・ネルーダ」役に
『ニュー・シネマ・パラダイス』の<フィリップ・ノワレ>が演じ、「マリオ」役の<マッシモ・トロイージ>は心臓に病を抱えていた中で撮影に参加し、撮影終了からわずか12時間後に41歳の若さで夭逝。これが遺作となりました。
<マッシモ・トロイージ>は脚本にも参加しており、死後、本作でアカデミー主演男優賞と脚色賞にノミネートされています。アカデミー賞ではそのほか、作品賞、監督賞、作曲賞にもノミネートされ、作曲賞を受賞しています。