9日午前の東京外国為替市場で、円相場は下落でした。12時時点は「1ドル=142円80〜81銭」と前週末17時時点と比べて29銭の円安・ドル高でした。
6日発表の8月の米雇用統計は米労働市場の減速を示しましたが、米景気後退を示唆する内容ではありませんでした。米雇用が急激に悪化しないとの見方から、機関投資家などが持ち高調整の円売り・ドル買いが出ています。
11時ごろには「1ドル=142円99銭」まで下げています。米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った半面、平均時給の伸びは市場予想を上回りました。米雇用動態調査(JOLTS)など前週に発表されました米雇用関連の経済指標が低調だったため雇用統計に対する警戒感が強かったのですが、懸念していたほどの減速ではなかったとして、円売り・ドル買いが出ています。
米労働市場の減速で米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げするとの観測から、朝方は円買い・ドル売りが先行しましたが、徐々に円売りの勢いが増しました。9日午前の日経平均株価が大幅安で始まった後にやや下げ幅を縮小し、「低リスク通貨」とされる円の重荷となった面もあります。