21日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに反発し、前日比5銭円高・ドル安の「1ドル=156円15〜25銭」で取引を終えています。円の高値は「1ドル=155円85銭」、安値は「1ドル=156円42銭」でした。
米長期金利が低下し、日米金利差が縮小したことが円を支えました。米連邦準備理事会(FRB)が利下げ転換を慎重に判断するとの見方から、円は伸びませんでした。
米長期金利は一時債券価格は高くなる前日比(0.05%)低い(4.39%)に低下する場面がありました。(FRB)の<ウォラー理事>が21日の講演で、「追加利上げはおそらく必要ないと信じている」と述べています。最近の経済指標は抑制的な金融政策が総需要を冷やすことに作用し、4月の物価指標はインフレの(政策目標の)2%に向けた進展が再開した可能性を示唆していると指摘しています。
円の上値は重く、<ウォラー理事>は「金融緩和を支持するには数カ月分の良い物価指標をみる必要がある」とも述べ、利下げ開始の判断に時間をかける意向を示す(FRB)高官の発言が多く、日米金利差が縮小しにくい環境が続くとの見方から円の買いは限られています。
米株式市場で主要指数が底堅く推移したことも低リスク通貨とされる円の上値を抑え、22日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日〜5月1日開催分)を見極めたい市場参加者も多いようです。