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今年の読書(22)『我が友、スミス』石田夏穂(集英社文庫)

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今年の読書(22)『我が友、ス...
著者<石田夏穂>(1991年埼玉県出身)の『我が友、スミス』は、2021年・第45回すばる文学賞佳作となり、デビュー作品です。同作は第166回芥川龍之介賞候補にもなりました。
 
スポーツジムにて筋トレに励む29歳の会社員「U野」は、Gジムで自己流のトレーニングを1年ばかりしていたところ、別ジムを設立した「O島」から誘われ、〈20代157センチ以下〉のクラスでのボディ・ビル大会への出場を勧められます。
 
大会に出場に向けて本格的な筋トレと食事管理を始めますが、大会で結果を残すためには、筋肉トレーニングのみならず「女らしさ」も鍛えなければならず、髪を伸ばしピアスの穴をあけ、脱毛・ネイルなどの美容にも気を使わなければいけなくなり、また高さ12センチのハイヒールの着用を指示されます。
 
鍛錬の甲斐あって身体は仕上がっていきますが、職場では彼氏ができてダイエットをしていると思われ、母からは「ムキムキにならないでよ」と心無い言葉をかけられてしまいます。
 
モヤモヤした思いを解消できないまま迎えた大会当日を迎えますが、「U野」は決勝の舞台で思わぬ行動を取り、自分自身を取り戻していきます。
 
スポーツジムやボディービルとも無関係な読者としては、それぞれの専門用語に親しむと共に別世界の詳細が楽しめる内容でした。タイトルの「スミス」は個人名称ではなく、トレーニングマシーンの名称だとは思いませんでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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