今年の読書(32)『やがて飛び立つその日には』石野晶(双葉文庫)
6月
11日
岩手県の自然豊かな山里に暮らす「花守ひばり」は、虫をこよなく愛する活発な少女でした。2歳年上の「和志」や同い年の「絵美」と幼馴染として一緒に充実した子供時代を送っていましたが、十五歳の誕生日に、亡き母が生前遺した花守の娘は「子供を産むと死ななければならない」というメッセージを聞き、自らの命にまつわる数奇な運命を知ることになります。
知らされた事実に衝撃を受けつつも自分の目指す道を信じて進む「ひばり」に、やがて大学の農学部に進みこれもまた運命的といえる1人の男性「村田蓮」と出会います。
今を懸命に生きていくこと、そして命を繋いでいくことの尊さを知る感動を、自然界の昆虫( ナミアゲハ・ゲジゲジ・カイコ・ギンヤンマ・ゲンジホタル等)や大きな伏線ともなる(ハクモクレン)の木と(
昆虫や植物に関心のある人にぜひ読んでいただきたい一冊で、本箱の<有川浩>の『植物図鑑』の横に収めました。