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今年の読書(24)『風のかたみ』葉室麟(朝日時代小説文庫)

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時代小説の好まれる作家としては、一般的に史実的にまとめる<司馬遼太郎>を筆頭に江戸時代を舞台に、庶民や下級武士の哀歓を描いた<藤沢周平>や<池波正太郎>が人気どころだと思いますが、私は<葉室麟>も外せない作家です。
(朝日時代小説文庫)としては 『柚子の花咲く』 以来になります『風のかたみ』です。

藩主の世継ぎ問題で、藩主と対峙した豊後安見藩一門衆筆頭の「佐野了禅」は上意討ちされ、二人の息子共々屋敷に火を付けて亡くなります。残された「佐野了禅」の妻「きぬ」をはじめ一族の女たちは、女中を含めて7人、白鷺屋敷と呼ばれる別宅で、藩の沙汰を待っている状況でした。

そんなおり、女医師「桑山伊都子」は、目付方「椎野吉左衛門」より、白鷺屋敷に住み込み、佐野家の女人たちが自害しないように、また、世継ぎが生まれないかの密偵役を務めるように指示されます。

二男の嫁「初」を巡り盗賊が現れたり怪奇な事件が起こる中、目付の「椎名」は女一族の抹殺を計りますが、佐野家の女たちは、武家の女として、したたかな思いを秘めていました。

武士としての生き方、男としての矜持を見事に描く<葉室麟>ですが、その裏を支える、武家の女たちの悲哀を心地よく描き出しています。
#ブログ #文庫本 #読書

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