特養おやつ死亡事件、逆転無罪@東京高裁
7月
29日
<大熊>裁判長は「ドーナツで被害者が窒息する危険性は低く、被告が死亡の結果を予見できる可能性も相当に低かった。刑法上の注意義務に反するとはいえない」と理由を述べています。
<山口>被告は2013年12月、施設で女性におやつのドーナツを配膳。女性は食べた後に一時心肺停止になり、約1カ月後に低酸素脳症で死亡しています。
施設内での介護の過失を巡り、職員個人の刑事責任が問われるのは異例でした。介護現場では「萎縮につながる」との異論も多く、この裁判をめぐっては、介護の現場に過度の責任を負わせるのは酷だとして、一、二審を通じて介護関係者らから被告の無罪を求める約73万筆の署名が裁判所に提出されていました。
控訴審で弁護側は、女性には食べ物を詰まらせる嚥下障害はなかったうえ、施設職員の間で窒息の危険性は認識されておらず、<山口>被告が窒息を具体的に予見することはできなかったとし、死因についても、窒息ではなく脳梗塞だったと反論しています。