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- 今年の読書(38)『ヘイ・ジュード』小路幸也(集英社文庫)
〈東京バンドワゴン〉シリーズも、『ラブ・ミー・テンダー』 に次ぎ本書で十三作目の『ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン』になりました。 前々作である 『ザ・ロング・アンド・ワインディングロード 東京バンドワゴン』 のすぐ何日か後からの堀田家の四季の出来事を追う一年が描かれています。
前作『ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン』は、4年に一度の番外編でした。本シリーズは「堀田家の今」を描く「本編」が三作続き、「主に過去の時代の堀田家」を描く「番外編」を一作品挟むという形で今まで続いています。
「本編」はいつもビートルズの曲名がタイトルで、二作目である『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』以降は、その曲が物語全体のイメージでありテーマになったりもしています。
今回のタイトルである名曲『ヘイ・ジュード』の歌詞の内容は、大人の男が若い男性を励ますようなものになっています。ネタバレになりますが、本書では、ガンで余命があまりない「我南人」のバンドメンバーの「ボン」が病室で息子の前で演奏する場面に登場、なるほどとホロットさせられました。
いつも通り、古本屋「東京バンドワギン」の堀田家の家族を中心とした〈ホームドラマとして総勢50名近い登場人物が織りなす日常が、亡くなった「サチ」の語り口で描かれています。どこかにいてくれたら楽しい家族と、そこに集う人たちの、ちょっと愉快な日々を描くだけの物語なのですが、なぜか文庫本の新作が出ますと手に取ってしまうシリーズになりました。
本書の解説文を書かれている<浦田麻理>さんは、「ジュンク堂書店神戸さんちか店」勤務の方でした。
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